沢村貞子 『貝のうた』

・あれは沢村貞子のなんの本だったか。

  女は「女らしくしなさい」と言われたら、おとなしく

  していればよいが、男は「男らしくしなさい」と言われれば、

  なにか行動しなくてはいけない。

・この文章を読んだときなるほどなあ、と。

                   *

沢村貞子 『貝のうた』(新潮文庫)は、3月の暢ちゃんの会の時の

 暢気文庫で購入。田無に住んでいたころ、近くの中央図書館新町分室で

 沢村貞子の本を借りて何冊か借りて読んでいたが「貝のうた」は読んでいなかった。

沢村貞子のこと、知らなかったなあ。これは下町っ子、明治女の自伝という 

 だけでなく、近代史。歌舞伎や新劇のこと、関東大震災の自警団のこと、

 特高のこと、留置場のこと、戦前映画のこと、慰問芝居のこと。

・いやあ、文章がうまいから作者が経験したことがリアルに伝わってくる。

                   *

・こんな本を読まずにいたとは。

貝のうた (河出文庫)

貝のうた (河出文庫)

 

 ・沢村貞子の弟である加東大介南の島に雪が降る』もおススメです。

南の島に雪が降る (知恵の森文庫)

南の島に雪が降る (知恵の森文庫)

 

 

 

本の紹介

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武藤良子『銭湯断片日記』(亀鳴屋)

    イラストレーターというより画家といったほうがあってるかも、

 武藤良子さんのブログが本になった。500ページを超える大作。

   わたしは風呂上りにちびちびと読んでいます。購入は亀鳴屋サイトから。

亀鳴屋

kamenakuya.main.jp

台湾レトロ氷菓店 あの頃の甘味と人びとをめぐる旅

台湾レトロ氷菓店 あの頃の甘味と人びとをめぐる旅

 

 ・ハリー・チェン・作  中村加代子・訳『台湾レトロ氷菓店』(グラフィック社)

 中村さん、初めての翻訳本。そういえばもう何年も前に中国語の校正を中村さん

 にお願いをしたことがあるなあ。小さい仕事だった。まだ買ってもいないけど、

 読むのが楽しみ。どこで買おうか迷うなあ。

 

雪降る夏空にきみと眠る (上) (竹書房文庫 ふ 7-1)
 
雪降る夏空にきみと眠る (下) (竹書房文庫 ふ 7-2)
 

 ジャスパー・フォード・作 桐谷知未・訳『雪降る夏空にきみと眠る(上・下)』

竹書房文庫)

・桐谷さんはもう何冊翻訳本を出しているのだろう。経済、歴史、恋愛小説など

 ジャンルの幅が広い。先日、池袋でおこなった初めての翻訳教室も好評だったとか。

            *

・知人がつぎつぎと本を出されるのは、我ながらうれしいわ!

宇田智子 『本屋になりたい』

 

本屋になりたい: この島の本を売る (ちくまプリマー新書)

本屋になりたい: この島の本を売る (ちくまプリマー新書)

 

 

・いまごろになってこの本を読むなんて申し訳ない。

・あれはいつだったのか、不忍の一箱古本市の時だったか。

 古書ほうろうで豆ちゃんから「こんど那覇で古本屋を

 はじめる宇田さんです」と紹介されたことがある。本人を前にして

 「へえー、凄えなあ」と思わず口に出してしまった。

・この本を読むと宇田さんの決意がわかる。古本屋をはじめるに

 あたっていろいろなことをひとつひとつ丹念に考えて行動して、

 市場のひとや同業の沖縄の古本屋さん、お客さんの輪を広げていく。

 うらやましいなあと思う。

                *

・この本にもふれているが「市場の古本屋 ウララ」の前にある第一牧志

 公設市場の建て替え工事が6/17からはじまる。ウララと市場の通りは

 アーケードになっている。いまそのアーケードを残すのかどうなのか、

 解決にいたっていないようだ。アーケードがなくなるとどうなるのか。

 いまのままでウララはやっていけないのではないか。強い日差しや台風

 にさらされて。

・「市場中央通りアーケード協議会」が立ち上げて、アーケードの再整備 

 を目指していくようだ。興味のある方はTwitterで @arcadegwa

               *

・それに伴い音の台所さんが市場のねこを題材にしたリトグラフ展を

 東京明大前の七月堂古書部とウララで開催します。

oto-kitchen.comoto-kitchen.com

・20年ほど前になるか那覇にはじめて行ったのは。強烈に印象に残った

 場所が、壺屋通り、那覇バスターミナル、そして牧志第一公設市場。

 壺屋通りの裏道に雰囲気のよい古い赤瓦の家があったのだが、その後

 なくなってしまったのかいくら歩いてもあの風景を見つけることができない。

 ゆいレールの旭橋で降りてあの歩道橋を渡ったら那覇バスターミナルが

 なかった衝撃。それに牧志第一公設市場まで。

・築地もしかりだが、いちどあの密度の高い市場の雰囲気をなくしてしまったら 

 再現は絶対にできない。何年かさきに牧志第一公設市場はもどってきたとしても。

・どことは書かないが立て替えて観光地で港町でありながらさびれて

 しまった市場がある。 なんで観光に活かせなかったのか、行政の怠慢だよ。

 


 

 

 

石ノ森章太郎 『章説 トキワ荘の青春』

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石ノ森章太郎 『章説 トキワ荘の青春』を読了。

 トキワ荘に石ノ森が引っ越してくるときに赤塚がリヤカーを

 押す。やっぱいいなあ赤塚。石ノ森の食事を作ったり、アシスタント

 したり献身的な若き日の赤塚が見えてくる。

赤塚不二夫『笑わずに生きるなんて』。

 

 赤塚不二夫は二人いる。泣いている赤塚と笑っている赤塚。

 

・このことばからはじまる。この本もこれから読むのだが楽しみ。赤塚の文章は

 長谷邦夫が代筆していたといわれている。

藤子不二雄A『81歳いまだまんが道を』。

 いまBS12でむかしのNHKドラマ「まんが道」をやっている。この主人公が

 藤子不二雄Aで楽しみにしている。わたしはどちらかというと藤子・F・不二雄

 より藤子不二雄Aのほうが好きなようだ。「怪物くん」なんか貸本で読んだなあ。

 この本もきょうから読みはじめました。中公文庫の巨匠漫画家自伝シリーズ

 なかなかです。

 

あまりじゃないか!

・昨夜7時のNHKニュースで「平成の最後になにを食べるか」

 なんてやっていて、ほかに伝えるべきニュースがあるだろうと

 いかっていた。朝刊のテレビ欄みてびっくりしました。

 民放はまだしもNHK総合。きょうはテレビ見るのお休みします!

横山秀夫 『ノースライト』

・いくつもの点と点が線になってつながって物語が

 見えてくるのは小説としてはあたりまえなのかも

 しれないが、それにしてもひとつひとつのキーワード

 のふくらませかたが見事。それに加えてこれでもかこれでもか

 と加速する展開。

・水玉ちゃんにススメてもらった前作『64』にもおとらない

 傑作です。

 

ノースライト

ノースライト

 

 

 

神社のこと

・山歩きで通る神社にいつのまにか常設の輪くぐりができている。

 ここだけではないがどこに行ってもお守りが多種多様に増えたし、

 おみやげコーナーまでできたところもある。神社がパワースポットと

 呼ばれるようになってから変わってきたように思う。