本がよく読める

・読むのが遅いわたしにしてはここのところ本がよく読める。

なぎら健壱「酒にまじわれば」(文藝春秋

酒にまじわれば

酒にまじわれば

・酔っぱらったときのエピソード集なのだが、電車のなかで笑いを
 こらえるのが大変だった。こんなことは「ホワッツ マイケル」以来。
 書かれていることは実にくだらないことなんだけどね。
        

岸川真「あくたれ」(双葉社

あくたれ!

あくたれ!

・「長崎の不良中学生青春グラフィティ」と帯の背にあるとおり。
 これだけ暴力がでてきて、読むほうに痛さを感じない。いくつもはなしの
 やまがあって楽しめました。不忍ブックストリート一箱古本市の時に
 店主をされていた岸川さんから直接購入。サインをいただきました。
        

山之口貘詩集」(弥生書房)

・先日のいわきから仙台に行ったときのお供本。このサイズ、厚さがよかった。
膝上でひらいていても読める。文庫だとこうわいかない。
「鮪と鰯」は第五福竜丸が水爆をあびたときのことを詩にしたのだと思うが、
「雲の下」というのもすごい。

ストロンチウムだ/ちょっと待ったと/ぼくは顔などしかめて言うのだが/
ストロンチウムがなんですかと/女房が睨み返して言うわけなのだ/
時にはまたセシウムが光っているみたいで/ちょっと待ったと/
顔をしかめないではいられないのだが/セシウムだってなんだって/
食わずにいられるもんですかと/女房が腹を立ててみせるのだ

・いわきで駅の近くにある「平読書クラブ」という古本屋さんに磐越東線との乗り継ぎの
 合間に行こうとチェックしていたのだが、残念ながら閉まっていた。いわきの市街は
 古いビルや商店は半壊したりして閉まっているところが多かった。ちょっとさみしい
 気分になる。対照的に駅前の商業ビルに図書館があってここが立派だった。この日は
 市内6カ所の図書館が全て再開したということだった。
        

津波原発朝日新聞出版)

大津波と原発

大津波と原発

・仙台でブックカフェ「火星の庭」におじゃました。前野健一さんがいらっしゃった。
 じつは「火星の庭」ははじめて。いいお店です。古本の品揃えもいい。カレーが
 おいしかった。前野久美子さんがKURAX「+R」で古本をだしていると聞き、
 そちらに向かった。インテリアショップが入っていたそうだが、震災で閉店になった
 ところでイベントをされていた。骨董やスイーツなどなかなかおもしろい。 

前野久美子「ブックカフェのある街」(仙台文庫)

ブックカフェのある街 (仙台文庫)

ブックカフェのある街 (仙台文庫)

・「大津波原発」は「火星の庭」の閲覧用としておいてあった。なかなか興味深い
 3人の対話なので新刊書店で購入した。
・前野久美子さんとは短い時間にいろいろなはなしをさせてもらった。仙台のこと、
 地震のことなど。それにしても仙台は33年ぶり。いつくかの小さいビルはここも
 崩れたりしてお店は閉まっているところが多い。だが、東京より明るい街なのが
 印象的だった。そうだここは東電ではない、東北電力なのだ。
・いいアンティークのはしごが安くでていて、欲しかったのだが、新幹線には乗らない
 のであきらめた。