・近所のゲオで旧作DVDが7泊8日で80円なので、「マイ・バック・ページ」
を借りて観賞する。80円で人件費、店舗代が稼げるのだろうか。
・映画のことをいうと、主人公の葛藤がテーマなのでそのこころ
の動きもうまくでていたんじゃないかな。時代の描写もむずかしい
と思うけど、グレーが主体な街の色もよく表現されていた。
・ただし、週刊東都の表紙のグラビアアイドルのことは、中途半端な
感じがした。唐突に「3年後に22歳で死んだ」というだけでは
なんのことだかわからない。
・原作のはなしになっちゃうけど、ひとつの事件が進行しながら、
そのほかに複数の出来事をつなげて、1960年代後半から1970年代
を浮き上がらせている。そのなかのひとつがグラビアアイドルの
はなし。原作を読んでいるからわかることなのだが。
- 作者: 川本三郎
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2010/11/26
- メディア: 単行本
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・川本三郎の「マイ・バック・ページ」のなかにギターのうまい
「みつはしくん」のはなしが出てくるが、きょう聴いたトークイベント
でも「みつはしくん」のことがでてきた。「みつはしくん」は永島慎二の
アシスタントをしている三橋乙椰=シバである。
*
・きょう行ってきたトークイベントは「永島慎二と漫画家残酷物語」である。
8月17日(土) 阿佐ヶ谷ロフトA
「永島慎二と漫画家残酷物語」
【出演】
橋本一郎(作家・元朝日ソノラマ)
戸田利吉郎(少年画報社社長)
小林鉦明(「柔道一直線」元担当者)
真崎守(マンガ研究家)
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/17172
・永島慎二に関するトークイベントは珍しい。わたしは初めて参加する。
始まる前や休憩中は、はっぴいえんどがエンドレスで流れていた。
全体で30人ぐらいのお客さんか。まずは、橋本氏と真崎守の二人の
はなし。橋本氏がサンコミ版「漫画家残酷物語」の担当編集者。
真�啗守は、この時にかかわりを持っていて。2巻、3巻は、真崎が
作品のセレクトをしているという。
・後半は、少年画報の戸田社長が貸本時代のはなし、小林氏が
「柔道一直線」のはなしをした。原作の梶原一騎のはなしがおもしろ
かったな。当時(昭和44年)ごろは、「巨人の星」「あしたのジョー」
「柔道一直線」など9本の連載を抱えていたというから尋常じゃない!
・橋本氏がサンコミで、当時の売れっ子作家五木寛之に巻頭の文を
書いてもらうのに苦労したはなしもよかった。
*
・真崎守。肩書きがマンガ研究家になっているが、わたしにとっては
「はみだし野郎の伝説」の漫画家だ。もうひとりの青春漫画の巨匠と
いえるんじゃないだろうか。虫プロにいていつくものアニメにもかか
わっている。虫プロに永島慎二をひっぱったのも真崎だ。
・峠あかねという別名で漫画批評も書いていて、「漫画家残酷物語」の
解説も全巻に書いている。だからだと思うのだが、批評家として
客観的にものごとを見ている。当時の漫画界の状況などわかりやすく、
奥が深いはなしがじつにおもしろかった。
・手塚治虫は、あらゆるジャンルの漫画を手掛けてスーパーヒーロー
を作ったから、後から出てくる漫画家は漫画を描くことに苦労した。
そのなかでも石ノ森章太郎は才能があったからそれを覆して、
永島慎二は違う漫画の方向を引き出した。見開きページの
うちのひとコマで勝負した。そうか、三人が描いていたCOMの見方も
かわってくるなあ。
・アニメ映画「ジャングル大帝」は、制作が真崎守、演出が永島慎二。
朝日ソノラマのソノシートでテーマ曲を聴いたが、富田勲とのやり
とりというのもいいなあ。アニメーション草創期でみんなまだ
スタッフが20代だったという。
・「ジャングル大帝」は、中山道沿いの浦和東宝へおふくろに
連れられて観に行った。わたしが生まれて初めての映画アニメ。
それだけに印象深い。
・それにしても真崎守のはなしをもっと聞きたい。本を読みたい。
真崎守 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E5%B4%8E%E5%AE%88