山野井本の魅力

白夜の大岩壁に挑む クライマー山野井夫妻 (新潮文庫)

白夜の大岩壁に挑む クライマー山野井夫妻 (新潮文庫)

NHK取材班「白夜の大岩壁に挑む」(新潮文庫
・昨年の秋に千駄木往来堂書店でこの本を見つけたのだが、
 買いそびれていた。年末に注文をして正月に入手しました。
iPhoneのメモには「山野井 新潮文庫」とだけ書いてあった
 ので、注文したときも題名も作者もわからず、検索をかけて
 もらった。それで引き取りに行ったときも題名が覚えておらず
 わたしの名前だけを手掛かりに探してもらった。
・店員のNさんに言われたが、確かにメリハリがなく覚えずらい
 書名である。自分の衰弱した記憶装置を棚にあげればだけど。
          *
山野井泰史は気になる登山家であった。むかしほど山の本は
 読まなくなったけど山野井だけは読みたくなる。なぜかなと
 思っていたら、妙子夫人のこんなことばが
>>
テレビとか見ていると世の中には悲惨なことがいっぱいあるけど、
自分たちはそこからはかけ離れているかなって。普段の暮らしに
は不満はないし。それに好きなことをずっとやっていられるって、
一番幸せだと思う。
<<
・こんなところがうらやましいんだろうな。それにふたりとも明るい。
 暗いことでも明るく吹き飛ばしてしまっている。
          *
凍 (新潮文庫)

凍 (新潮文庫)

沢木耕太郎「凍」(新潮文庫
・あの沢木が山野井を書いて、おもしろくないことはない。
 最後に判明するのだが、沢木の取材魂もすごい。

・わたしが読んだのは、「新潮 2005年8月号」題名は「百の谷 雪の嶺」
 になっている。
ソロ 単独登攀者 山野井泰史 (ヤマケイ文庫)

ソロ 単独登攀者 山野井泰史 (ヤマケイ文庫)

・丸山直樹「ソロ 単独登攀者」(ヤマケイ文庫)
・最初に読んだのはこの本。やはり自伝より、他人が書いたドキュメンタリー
 のほうがおもしろい。読書日記によると「山野井というひとは
 変わっているというか、人間的かもしれない。山に対する考え
 方がポジティブである。謙虚さ、見栄のなさ」って書いてある。
垂直の記憶 (ヤマケイ文庫)

垂直の記憶 (ヤマケイ文庫)

山野井泰史「垂直の記憶」(ヤマケイ文庫)
・読書日記によると「最終章のギャチャンカン北壁はすさまじい。
 生きることのすごさをよく表現していた。」と書いてある(笑)
・この本は山野井夫婦の二人のサインが入ったものを書店で
 買った。珍しいので山好きの友人の結婚プレゼントにしてしまって
 手元にはない。
          *
・これらの山野井本を読んでいると時代の閉塞感が全く感じられず
 なんだか夢の世界へ連れていってくれるような気になれる。実際は
 過酷な登山を繰り返しているということなのだが。そこらへんが
 山野井本の魅力。 
PS:すっかり忘れてましたが、過去のブログで3回「山野井本」のこと
  を書いてました。よろしかったらこちらもどうぞ!
http://d.hatena.ne.jp/heno3ban/20060606
http://d.hatena.ne.jp/heno3ban/20060607
http://d.hatena.ne.jp/heno3ban/20080917