殿山泰司『殿山泰司のじゃべくり105日』

・「へのさんって、いつもボーっとしていますよね」
 と直接言われたわけではない。クライアントと上司の
 会話の中でのこと。
・ボーっとしているは、子供のころからさんざん言われてきた。
 自分ではそうでもないだろうにと思ってはいるのだが。
 まあ、確かにボーっとしていることは多い。
・むかしむかし、結婚していたころ妻の実家に行ったとき
 のこと、ひとり座っていただけなのだが義父がバットを
 差し出して「素振りしてこい」と言われたことがある。
 これなんかは、あまりにもボーっとしていたのでいたたまれ
 なくなったのだと思う。
・自分が意識していないときでもボーっとしているのだろう。
 1日の1/3は寝ているとして、1/3は動いていて、残りの1/3は
 ボーっとしている。
・ボーっとしている1/3の人生をきちんとしていれば、もっと
 いろいろなものを手に入れていたのかもと思うが、その反面
 ボーっとしていることによってこころを調整していたのかも
 しれないね。
          
殿山泰司殿山泰司のじゃべくり105日』(講談社)を読了。

・「JAMJAM日記」「ミステリー&ジャズ日記」に続く第3弾。
 昭和59年。たぶんこれが最後の著作じゃないだろうか。
・バアサマとの掛け合いが出てこないのが残念。戦争のこと
 が書いてあるけど、いまとなっては貴重な証言だな。