坂口安吾 『勝負師』

・いやあ、久しぶりの安吾。将棋と囲碁のことを

 集めた作品集である。文章が古びてないね。というよりも

 いまより新しいくらい。

・木村名人が塚田八段に負けて名人を譲る、その観戦記。

 終戦直後の名人戦がいまとは違っていておもしろいな。

 たばこはぷかぷか吸うし、升田は酒も飲んじゃう。

 それどころか……。

大山康晴の若いころのこと。

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彼ほど老成し、冷静な勝負度胸をもった男でも、ウヌボレからは

脱出できない。彼はいつもウヌボレで失敗した。しかし、落胆や

負けによって動揺したことがないのである。斬っても血がでない

とはこの男である。

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囲碁呉清源のことも知らなかったなあ。

・自虐的なこともおもしろい。

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三、四十年もたってみなさい。坂口安吾の「堕落論」なんて、なんの

こったこんな当たり前のこと言ってやがるにすぎないのか……

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・「堕落論」読み直してみるか!

坂口安吾 『勝負師』(中公文庫)読了。