・ことし出会ったことば。
*
・「自由を得た代わりに、自らの言動を自省するのではなく、
自らの責任を他者に押し付けて、自分は常に正義の側に
いると言わんばかりの、計算が先行する社会になって
しまった」
(2/15 毎日新聞朝刊 保坂正康の昭和史のかたち)
*
・「安倍首相がやりたいことで、見えてくるのは憲法改正だけ。
実行力があるということを一生懸命主張しているけれど、
それ以外に何をやりたいのか、さっぱりわからない」
(3/12 毎日新聞夕刊 この国はどこへ、これだけは言いたい
哲学者 内山節 コロナ禍に思う)
*
・「日本経済にとってプラスだから外国からの移民を受け入れよう
という議論が、「経済的に役に立たない人間には居場所を与えない」
という考えにつながっていないか」
(THE BIG ISSUE vol.379 温又柔 移民社会を生きるヒント)
*
・「他人のように成功するより、自分らしく失敗しなさい」
*
・「多くの人が深く疑うことに耐えられず、軽く信じてしまう。
それが、たくさんの問題につながり、不幸な国を造ることになる」
*
・「普通の国民の普通の生活の場への想像力がない。みんな二世三世の
お坊ちゃんだからか。二塁にいるから自分は二塁打を打ったと
思っているが、違うよ。きみたちは二塁に生まれただけだ」
*
・「いじめの問題もそうだが、日本は問題を解決しようとすると、
被害者が頑張らないといけないことが多いと感じる」
(7/10 毎日新聞朝刊 論点 春名風花 SNS規制のあり方)
*
・「悲観主義は気分に、楽観主義は意思によるものである」
*
・「アランの幸福論。人間の目は遠いところを見て落ち着くものなのだ。
星や海の水平線でもながめていれば目はやすらく。目がやすらげば
頭は自由になる」
*
・「どんなに注意してもウイルスに感染することはあり、それは道徳とは
何の関係もない。道徳的な行動とは、誰かが感染したらその人が元気
かどうか心配してあげることだ」
(8/20 毎日新聞朝刊 マルクス・ガブリエル オピニオン)
*
・「リスクの大きさが明確でないときは、まずは最悪の事態を想定し、
事実が明らかになるに従ってリスク管理の範囲を小さくしていく、
これが鉄則だ。しかし、日本政府は実態がよく分からないとき、
リスクを小さく見積がちで「今のところ大丈夫」などと説明する」
*
・「片っ端から本を読むと好きな本が分かる。それで好きなこと、
やりたいことを見つけるとよい」
*
・「健康や清潔さが次第に義務化されてきている。健康でない人は社会
のルールを守れない人というふうに。元々人間って不健全なものでも
楽しむ権利があるわけでしょ。それが違ってきていると思うんです。
社会の潔癖化というのかな。それと相まって貧困が自己責任のように
語られる」