なぎら健壱『関西フォークがやってきた!-五つの赤い風船の時代』(ちくま文庫)

・若いころよく北海道を旅していた。旅先で出会ったひとから

 なにかと影響を受けて帰ってくることがある。長万部駅で野宿

 したときは、同じような一人旅三人と雑談していたら3人とも

 植村直己の大ファン。そのころわたしはそんなに植村のことを

 知らなかったのだが、帰ってきて『青春を山を賭けて』を

 読んだらはまってしまった。

富良野のキャンプ場では二人のバイク乗りキャンパーとはなしを

 したら、そのころ始まったドラマ「北の国から」を見て富良野

 に来たとのこと。見たことなかったのだが、いしだあゆみ

 と蛍のあの富良野駅の別れの場面で泣いてしまうありさま。

 (いまでもあの場面は泣けます!)

ユースホステルに泊まることは軟弱と言われていたのだが、野宿ばかり

 していると疲れてきてたまにはユースホステルに泊まっていた。積丹カムイ

 YHに泊まったときのこと。例のミーティングでの自己紹介。だいたい仕切って

 いるのは関西人であって関東人を敵対視しているから、なんだか忘れたが

 いちゃあもんが付けられて不愉快な気持ちに。そして最後は五つの赤い風船

 の「遠い世界に」の合唱。これはどこのYHでもお決まりだったような気がする。

 あのころはまだ歌声運動の影響が残っていたのだと思う。

・それにしても不愉快な気持ちになったのに旅から帰ってきたら、「遠い世界に」

 が好きになっていた。五つの赤い風船はもう解散していたのでリーダーである

 西岡たかしのコンサートに行った。東京労音会館ではゲストがメンバーだった

 ベース長野隆。「めしや」はよく覚えているなあ。もう1回は岡林信康との

 ジョイント。新宿厚生年金会館の最前列。もうそのころ岡林は、違う方向に行き

 始めていたので「チューリップのアップリケ」ぐらいしか知っている曲は

 やらなかった。このときの西岡たかしの印象は薄いなあ。

・そして2012年の江東フォークフェスティバルでの新生風船。

 そのときのことはこちらの過去のブログで。

heno3ban.hatenablog.com

なぎら健壱関西フォークがやってきた!-五つの赤い風船の時代』

 (ちくま文庫)を読了!なぎらが西岡たかしのインタビューをもとに

 書いている。なかなか貴重ではないか。イントロで高田渡の葬儀に

 来るシーンがよいなあ。