筑紫哲也 『旅の途中』(朝日文庫) その3

筑紫哲也 『旅の途中』を読んでいて、沖縄タイムス

 作った豊平良顯が沖縄戦後、首里で瓦礫の中から

 陶器や文化財を集めて野外展示したところ、多くのひとが

 文化の渇きをいやすように集まってきたそうだ。

軍事、政治、経済などあらゆる面で全能であった異民族の統治の

下で、沖縄であり続けることができたのは、一にかかって文化の

力だった。

・沖縄の文化はこういう切羽詰まったところから強くなってきたんだ

 なあと思う。

                *

・この本は、出会った39人の人物像を書いている。もうひとり野中広務

 が印象に残った。強面ではあったがハト派であって沖縄などの問題に

 取り組んでいた。

行くところまで行かないとわかったくれないのか。自分のことだけ考えて

相手の痛みがわからないのか。ひとつの風が吹くとどうしてみんなそちらに

なびいてしまうのか。

現代社会に対する野中の危機感。野中や筑紫も亡くなり、このような

 ことを言えるひとたちがいま不足しているのはあきらか。先が見えない

 不安なコロナ禍のなかで瓦礫の山から掘り出してくれるひとにでてきて

欲しい。

 

 

筑紫哲也 『旅の途中』(朝日文庫) その2

・サークルの先輩がテレビ朝日でADをやっていて、その紹介で

 選挙速報番組のアルバイトをしたことがある。

・1980年衆参同日選挙。即日開票ではなく、翌日開票。朝6時に

 六本木集合だから後輩のアパートにでも泊まったのだったか。

・何十人も集まっていて、わたしの配置は選挙速報を伝えるアナウンサーの

 横で原稿をまとめているディレクターに各地の選管からの情報を渡す係り。

・まだアナログの時代。大きなスタジオにテーブルの上に何台もの電話が

 乗っている。たぶん47都道府県の選管分用意されていたんだと思う。

 そこにひとりづつアルバイトがつく。出口調査なんてなかったのか、番組が始まって

 からは静かなものだった。そのうちぽつぽつと電話が鳴りだし、アルバイトが受話器を

 とってメモをして手をあげる。わたしはそこに走っていってそのメモを受け取る。

・メモには「新潟三区 田中角栄 自民現 当選確実」なんて書いてある。そのメモを

 アナウンサーの横のディレクターにそっと渡す。そのメモをアナウンサーに渡して

 「ただいま速報が入りました。新潟三区 田中角栄 当選確実です。」なんて言う。

・電話がジャンジャンなって慌ただしい雰囲気のスタジオが当時の選挙番組。

  まだ若かったせいか走り回っているのに疲れた記憶はない。テレビに映らないところに

 モニターが並んでいて各局の選挙番組が音声を消して映されている。「おっ、NHK

 早いなあ」なんて言いながら見ているとまた手が上がって走りだす。

・選挙速報も佳境に入って来るとその大きなスタジオの離れているところに円卓のような

 ところにメインキャスターと解説者が数人座っていた。その中に筑紫哲也がいた。

 声は聞こえない。このとき初めてわかったがスタジオ内では音声は入っていないんだ。

 他の解説者に誰がいたのかは覚えていない。筑紫哲也はもう白髪頭だったと思うが。

   CMの時間なんかはメイクさんが入ってきてドウラン?なのか、顔を直していた。

・まあ、筑紫哲也に会ったことがあるというはなしでした。わたしが一番残念だったのは

  中里雅子に会えなかったこと。いまでいう人気女子アナですね。

 

 

 

筑紫哲也 『旅の途中』(朝日文庫) その1

www.youtube.com・日比谷野音での西岡恭蔵追悼コンサートは見に行きました。

 もう20年も前のことか。懐かしくユーチューブを見ていました。

・最初の演者が小室等。「風よ雲よ光よ……」。うん、どこかで聞いたこと

  あるなと思いググってみると武満徹が作詞作曲。石川セリが歌ってCD

 を出している。

筑紫哲也 『旅の途中』(朝日文庫)を読んでいるところ。その夜に布団の中で

 この本を読んでいたら武満徹のところでこの曲のことがでてきてびっくりした。

 そんなこともあるんだな。筑紫哲也のニュース番組(NEWS23ではない)

 で「翼」がエンディングテーマだったと。

・その次の日、すこし経って思い出した。わたしが覚えていたのはアンサリーの「翼」

 だと。でも、刷り込まれていたのは筑紫哲也のニュース番組だったのかもしれない。

 

『ブックオフ大学 ぶらぶら学部』 岬書店

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・『ブックオフ大学 ぶらぶら学部』岬書店が届いた。古書西荻モンガ堂より通販にて購入。

  8人の書き手のなかにあのトマソン社「BOOK5」に好連載していたZさんがいる。

  いやあ、Zさんすごいわ。フックオフとせどらーの歴史、これ以上のものはないね。

  おもしろすぎ!

・1か月前ぐらいだったか、久しぶりに近所のブックオフに行ってみた。

 平日の夕方、けっこう人がいて混雑していた。本が売れて棚が空いているのか、  

 スタッフはせわしなく店内を動いていた。そんななか、店長だろうか、マスクもせず

 大声でうるさくスタッフに指示をしていた。近づいてきたとき恐怖を感じた。

・そもそも書店や古書店はどこも休業中のころにブックオフは開いていることに驚いた。

  モンガ堂みたいに小さな古本屋がいまだ休業中だというのに。当分、ブックオフには

  行かない。

 

 

日々のこと 22 ビールの小瓶

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・「土曜半どん」ということばをいまの人は知らないだろうな。

  まだ週休一日制の時代、土曜日は仕事が正午まででした。

  それで「土曜半どん」。半どんのどん、ってなんだろう。

・週末の土曜日午後休み。あしたは日曜日で一日休み。

 仕事から開放された時間、これがたまらなくうれしい。

・そのころは西新橋で仕事をしていました。「土曜半どん」の

 過ごし方は、歩いて銀座まで行って「銀巴里」で平野レミシャンソン

 聴いたり、上野のジャズ喫茶「イトウ」で漫画を読みながらジャズを聴いたり

  などなど。そして一番多く「土曜半どん」を過ごしたのが都営三田線で神保町。

 餃子の「スヰートポーヅ」から書肆アクセスというパターン。

・当時「スヰートポーヅ」はおばさんが仕切っていて席を案内してくれる。

  ちょっと不愛想なところもあるんだけれど、水がなくなるとすぐに入れて

 くれたり、他の席が空くと広い席に誘導してくれたりテキパキとして

 親切なひとでした。

・90年代の終わりぐらいだったか、このおばさんの姿が見えなくなった。

 店のひとに聞いたら辞めたという。わたしはこのおばさんが店主だと

 思っていたので普通の店員さんだったと知ってびっくりした。

・いつも餃子12個の中皿ライス。それにまだ陽が高いからビールの小瓶。

  おしゃれでしょう。一週間の仕事の疲れをビールの小瓶で流すのだ。

・その「スヰートポーヅ」が閉店するというツイートが流れてきた。唖然である。

 わたしにとってあの餃子は唯一無二で日本一うまい。もうあの餃子が食べられないのか

 と思うと悔しいし、寂しい。コロナでの閉店だという。コロナのばか!

 

 

沢木耕太郎 『旅のつばくろ』 (新潮社)

 

・読了! 16歳のときに旅した東北を訪ねてみたり、

 そのとき行けなかった場所に行ってみたりと。

 国内を旅するエッセイはめずらしいんじゃないか。

 ところどころ「深夜特急」の気分を味わせてくれたり。

 身近な非日常を旅に変えてしまったり、うまいなあ。

 

旅のつばくろ

旅のつばくろ

 

 

 

市川森一 『黄色い涙』 (大和書房)

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・1974年NHK銀河テレビ小説のシナリオです。

 久しぶりに読み出してふと思い出したのが川本三郎『マイバックページ』。

 この2冊の本が微妙に絡みあっていることに気がついたのだ。

 要はマイバックページにこのドラマのことが書かれているのだが、

 それだけでないところが面白い。ちなみに嵐主演の映画「黄色い涙」は

 犬堂一心監督が子どものころこのドラマを見て、いつかは映画に撮りたいと

 思っていたとのこと。映画版のシナリオは同じく市川森一だが書き直している。