別府倫太郎 『別府倫太郎』

・先日、東京ガスの担当者が「電気」を売りにきた。まあ、
 そういう時代なんですね。はなしをしていて、「ガス」
 の新規参入会社が営業に来てないかをしきりに気にして
 いた。
・そうか東京ガスにしてみれば、「電気」は攻めで
「ガス」は守りなんだな。攻めるよりも守りのほうが
 むづかしい。そうか、いまごろ悟ったよ。
        
・別府倫太郎『別府倫太郎』(文藝春秋

別府倫太郎

別府倫太郎

・10歳からネットで別府新聞を立ち上げて記事を書いてきた。
 いまは15歳かな。エッセイや詩、小説まで書いている。

彼女はいつか帽子屋にある帽子を手に取ってみたかった。夢の感触が
得られるような気がした。ショーウインドーのくすぶったガラスにも
触れてみたかった。

・これは小説「帽子」の一部だが、くすぶったガラス!くすぶった!
 こんな言葉をつかえるんだな。ほかにもわたしには読めない漢字を
 使っていたり。難しい漢字だということではなく、わたしが漢字を
 知らなすぎるということなのだが。
・この年齢でこれだけの文章が書けると天才だ、とかいう人がいるかも
 しれないけど違うね。倫太郎くんもプロフィールに思想家と名乗って
 いるけどそれが合う。別府新聞の社長として地元を取材していろいろな
 ものを見て、記事にしている。その見たこと、聞いたことに対して
 深く深くものごとをみて考えて、自分のことばにしているんだろうね。
川端康成吉本隆明の本が好きなようです。いやあ、この年齢で難しく
 ないのかね。吉本ばななさんとの対談が載っているけど、ばななさんの
 ようなひとが見守ってくれているのは倫太郎くんには大きなちからに
 なるだろう。
Twitterではっぴーえんどが好きだ、とつぶやいていた。会う機会が
 あったらはっぴーえんどのはなしをしてみたい。川端のはなしはできない
 からね。