吉野孝雄 『外骨戦中日記』

・いつも夕飯を作りながら、TBSラジオ荻上チキ・Session-22」
 をラジオクラウドで聴いている。メインセッションが夜の11時
 ごろなので生では聴けない。
・もう、ほんと年でね。むかしは必ず見ていたタモリ倶楽部
 深夜食堂孤独のグルメなどの深夜ドラマは眠くて眠くて
 起きてられない。土曜日が仕事ということもあるけど。
・いままではポッドキャストでったけど、TBSはやめちゃって、
 ラジオクラウドになった。ほんといつでも聴けるというのは
 助かる。ここのところトランプネタがおもしろかった。きのうは
 東芝大混乱を聴いたのだが、経済ジャーナリストの町田徹さんの
 切れ味鋭い発言にはうなずいてしまったな。内向きな組織って、
 改善されることはないんだろうね。
         
吉野孝雄『外骨戦中日記』(河出書房新社)を読了。

外骨戦中日記

外骨戦中日記

宮武外骨昭和19年9月から昭和21年2月の日記を残している。
 あの外骨が戦争中になにを日記に書いていたのか、そりゃ興味が
 湧きますよね。でも、「戦争や時世の感想や批判などの記述は
 皆無」だそうで、日常の記録が細々と書かれているだけ。
 買い出しとか、釣りの記録、誰が来たとか、絵葉書の整理など。
・でも、この日記を読み解いて外骨がなにを考えていたかを
 推理しようということがこの本のおもしろさだ。
・たとえば、昭和20年8月16日「久しぶり東京行 ツリなし」。
 8月15日も好きな釣りをしているのに、終戦の次の日は釣りもせず
 東京に行っている。このころは多摩に疎開していた。「久しぶり」
 ということばにやっと戦争が終わったという思いがあるように感じる。
         
・著者の吉野孝雄は外骨の甥っ子にあたり。吉野孝雄が10歳のときに
 外骨は亡くなっている。
吉野孝雄は戦争の歴史をよく調べている。そうでないとこれだけの
 卓越した見識は出てこないであろう。

証拠もなしにあえて邪推すれば、内地の安全地帯にいた戦争指導者たちは、
前線に飛ばした反対派の将兵たちが生きて帰ってくることが怖かったので、
彼らが死滅するまで戦争を継続し、いよいよ自分たち自身が危うくなった
段階で、戦争をやめようと企てたのではないか。

・そうだよな。そこから戦後社会の問題点にまで追求していて、ガッテン
 ガッテンとボタンを押してしまった。
・もうこれ以上ブログに書かないが、いまある社会の閉塞感はどこに由来
 しているのかというのがこの本でわかったわ。