岡本太郎の視線

岡本太郎のイメージは、ずっーと狂気の芸術家だった。
目玉をむき出しにして、ひと呼吸おいてしゃべりだす。
そんな感じ。インパクトはすっごくある。
小学校5年の時が大阪万博だったのだが、太陽の塔
まねてカラフルな絵を描いた思い出がある。
最近、岡本太郎が東北や沖縄で撮った写真集を観て、考えが変わった。
写真というのはそのまま視線なのだから、岡本太郎
なにを見てきているかというのがわかる。60年代の写真だから
なつかしさもあるんだけれども、日本人の持つ本質を
見ているんだな。そこに美しさがあったり、
生きていることのオーラを感じたり。
そういうものが作品の裏側にあるんだなと思えてきた。
岡本太郎「強く生きる言葉」(イーストプレス)2003年
だからこの本に書かれていることばがすーっとはいって
くるんだな。気をてらっていないところがいいなあ。