悪夢はなにを意味しているのか

3日の日曜日に歯の抜けた夢をみた。
下の前歯。わたしの場合、下の真ん中の2本が
乳歯だから、夢のなかではそれが抜けたのかと
思ったが、その右隣の歯だった。この世の悪夢。
野坂昭如が「文壇」(文芸春秋の中で
吉田健一と泰司のは文体模写はまったく不可能」と
書いていた。泰司とは殿山泰司のことだと
勝手におもっているのだがどうだろう。
殿山泰司は、田中小実昌と並んで、70年代の軽さ
を持っているのだと思う。もちろんいい意味でのこと。
あの当時の世界を彷彿とさせてくれる文章。
まだ残っているゆとりや余裕。あの新宿でさえ
ガチャガチャしたなかでも一息抜けたような
ゆるさを感じる。それにジャムセッションのような
リズミカルな文体。久しぶりにそんな本を読んだ。
殿山泰司「三文役者の待ち時間」(ちくま文庫である。