永島慎二雑記31

西荻窪・旅の本屋「のまど」で、念願の「雲遊天下 31号」を見つける。
2年ぐらい探していたのだ。
友部正人の連載「補聴器と老眼鏡」は、「永島慎二〜道化の時節」と題して
インタビューを載せている。友部はさすがにことばがたくみなので、けっこう
切れ味のある質問を投げかけている。それはそれとして、趣味の紙ひこうきの
はなしのなかで「視界ゼロ」が興味をひいた。「視界ゼロ」とは……

永島:視界から消えちゃう。飛ばしたのが上昇気流に乗って延々と持っていかれ
   ちゃうんですよ。<略>
友部:二度とそれはもう会えないんでしょ。
永島:電話番号を入れたりするの。そうすると立川から電話があったりね。

この紙ひこうきは小金井から飛ばしている。立川まで10kmはあろうか。
紙ひこうきがそんなに飛ぶのかい? うん、視界から消えて行くところを
みたい。奥様はそれを「至福」とこたえている。
インタビューの日付は、2002年7月16日。わたしの知っているかぎり、
最後のインタビューだと思う。[rakuten:book:11091768:detail]