小泊

冬の津軽を旅したことがある。五所川原から津軽鉄道に乗って
津軽中里へ。そこからバスに乗り換えて日本海に面した集落「小泊」
で降りた。冬の日本海は荒れていて海一面真っ白。強い北風から守るため
どの家も板囲いがされていた。人は歩いていない。でもどこか気配を
感じさせる風景。ここに来たきっかけは太宰治津軽」。このなかで、
乳母のたけが住んでいたのが小泊。これに触発されてここまできた。
雪が強く吹雪いてきた。帰りのバスはない。無謀といえば無謀。
吹雪の中をヒッチハイク。くるまなど通っていない。待つこと
数十分。宅急便に拾ってもらう。運転手さんはびびっていた。
業務規定がきびしいのだろう。配達するときは横になって
隠れていてくれと指示された。今日の宿、太宰生誕の家、
金木の「斜陽館」まで乗せてもらう。
神保町・ヒナタ屋で購入した「ぐるり 10月号」に三上寛
インタビューが載っていた。三上寛はなんとその「小泊」の出身だった。