毎日新聞から

・こころのところ断崖の一本綱のようにひっぱてくれるものを
 探している。
・早瀬昇 大阪ボランティア協会常務理事(毎日新聞朝刊 3月25日)

募金箱を持って立っている政治家。震災を利用したパフォーマンスは
やめてほしい。国会議員の仕事は法律を作ることのはずだ。こんな時
こそ政治家にしかできない仕事で被災者を支える基盤の整備に尽力し
てほしい

・池田雅之 早稲田大学比較文学毎日新聞夕刊3月25日

八雲が愛した100年以上前の日本人が持っていた助け合いの精神や、
自己抑制といった考え方が、今でも続いているんだなと思います」と
語る。八雲が指摘した日本人らしさとは、地震国であることに起因す
る要素が多いのかもしれない。

・柳田邦男 ノンフィクション作家(毎日新聞夕刊3月29日

「やるべきこと、学ぶべきことは山ほどある。では、どうするか」
「防災にかかわる分野での効率主義との決別。これは国の思想の転換、
思想革命です」

茂木健一郎 脳科学者(毎日新聞夕刊 3月31日

ものごとが自動的に進む時代は終わった。生かされるのはやめよう。
自ら本質を見極め判断する。その水を買う前に、電灯をつける前に、
本当に必要かと意識して問うてみる。自分を一から作り直す時です。

梅原猛 哲学者(毎日新聞夕刊 4月1日

理念がない。明治以来の富国強兵の延長、金、金、金、
エコノミックアニマルの域を出ていなかった。

自然にない自然をつくるわけで、廃棄物まで危険なんだから。

林隆三毎日新聞夕刊 4月4日

私にできることは何かと模索しながらも、あまりにひどい惨状に
からしていいか分からないジレンマに、頭を痛める日々です。

津島佑子 作家(毎日新聞夕刊 4月4日

戦後日本は、復興のため経済最優先で、ややこしいものは切り捨ててきた。原発の議論もその一つでしょう。

今の若い世代、子どもたち、これから生まれる子どもたちに、
申し訳なかったと思います。私たちの責任だったと

日常をちゃんと支えてくださっていることで、私は安心して生活を
続けていられるんだなって再認識したんですよ。

佐藤栄佐久福島県知事(毎日新聞夕刊 4月4日

政策を実際につくるのは経産省の官僚だ。彼らにとって、
良いのか悪いのかは別問題で、一度方針を決めると
後戻りしない体質だ。

荻原博子 経済ジャーナリスト(毎日新聞夕刊 4月5日

具体的には、経済産業省が東北に拠点を移し、その主導で企業に
移転してもらう。法人税を減免する代わりに雇用を生み出す。

国の将来を支える街を東北に造る。政府はそのぐらいのビジョンを
持つべきだし、皆で世論を盛り上げればできると思います。

東北地方をクリーンエネルギーと万全の防災機能を備えた世界最先端の
一大地域に生まれ変わらせることはできないでしょうか。
被災地にグリーン環境都市を建設するのです。

保阪正康 作家(毎日新聞夕刊 4月5日

『考えている以上のことは起こり得ない』という霞が関や研究者、
技術者らの傲岸ぶりを露呈した。『一犬虚に吠(ほ)ゆれば万犬実を
言う』のことわざ通りだった。万に一つのことまで想定していたら、
あらゆる『安全神話』は成り立たないということなんですね」。
そこにはコスト万能主義、異端を排除する「空気」の支配が
見え隠れする。

07年に新潟県中越沖地震で東電柏崎刈羽原発が被災した事例を
踏まえ、福島第1、第2の各原発も防護策を議論したが、「問題なし」
との結論に至っていた。「そこに(新潟の)教訓を生かそうという
基本的姿勢が欠落している。

かつて軍隊は『お前の命は鉄砲よりも軽い』とし、学徒兵らを
特攻要員とした。でも陸軍・海軍大学校出のエリートは特攻を
しなかった。今、原子力安全・保安院や東電を代表して記者会見
する幹部たちは被ばくの恐れはない。この社会メカニズムが、
非人間的な二重構造で成り立っていることも分かるでしょう」。

・内山節 哲学者(毎日新聞夕刊 4月7日

群馬県片品村は人口五千余人にもかかわらず、3月14日には
避難民受け入れを決め、予算措置し、約1000人にホテルや
旅館を無償提供しています。

雨宮処凛 作家(毎日新聞朝刊 4月6日)

私たちにできるのは、やはり「過去にしない」ことだと思うのだ。
被災した人たちに寄り添い何かしたいと焦るように思う今の気持ち
を決して失わないということ

鷲田清一 哲学者(毎日新聞朝刊 4月13日

大上段に振りかぶらなくてもいい。被災地の人の希望を丹念にくみ
取っていけば、あるべき復興の姿は見えてくるはずです。
その覚悟が問われています。