小林カツ代本

料理研究家小林カツ代さんが亡くなられた。あー。

小林カツ代 自給自足

小林カツ代 自給自足

小林カツ代「自給自足」(日本経済新聞社
 1996年発行。この本でわたしはカツ代本にはまってしまった。
 本に線引きをすることはほとんどないのだが、この本には
 いたるところに線引きがしてある。たわいもないところばかり
 ですが。たとえば
肩ロース
 豚肉のなかで一番おいしいのは肩ロースだとか。
黄色っぽい脂 皮側から焼きます 蓋をします
 これはチキンソテーのつくりかた。
ピーマン縦二つに切って、種をとって、適当に細く切って、茹でる
おかか醤油
 適当!適当! こんなレシピ他にはないよ。
帆立貝の缶詰(安いのでよい)
 わざわざ安い!といっている
・一番すごいなと思ったのは、具合が悪いときにどんな料理を
 作るかということ。いまでは、この手の本はあるが当時は
 そんな発想もなかったから、これを読んで大きくうなづいた。
・枝豆の茹で方が載っていますが、いまでもこのやり方をしています。
 枝豆を入れてコップ一杯の水で茹でるというもの。蒸す感じに
 なるんで水っぽくならない。
           *
男の老い支度めし支度―「料理力」ってなんだ?

男の老い支度めし支度―「料理力」ってなんだ?

小林カツ代「男の老い支度 めし支度」(海竜社)
 この本は平成13年だから、2001年。こちらも男の料理本というのは
 あったけど、老人のためのレシピ本というのは珍しかった。
・こう見てくると改めて、アイデアがある人だったなと思う。
・「わが道を行くワンタン」なんてわかりますか。中身をワンタンの皮
 で包むのではなく別々に鍋にぶちこめと、書いてあるんです。
 手間がかからず、美味しさは同じという発想。
・「ラムレーズンヨーグルト」。干しぶどうを
 ラム酒につけておいて、ブルガリアヨーグルトの上に 
 載せてはちみつをかける。これがめちゃくちゃうまいんだ。
           *
・こんなカツ代ファンなのですが、2009年と2010年にカレンダーを
 仕事で作らせてもらった。カツ代さんは療養中でお会いできなかった
 けど企画が通ったときはうれしかったなあ。撮影用にキッチンスタジオ
 のみなさんにつくっていただいた料理はどれもおいしかったこと
 を思い出します。
ご冥福をお祈りいたします。