・大家さん廻り。これは新人の助っ人さんから出た要望だった。大家さんの
場所がわからないので連れて行って欲しい。一箱古本市を行うスポットは
10か所以上。このスポットを大家さんと呼んでいる。この大家さんの
場所に助っ人さんを案内しながら、谷根千を散歩するのが大家さん廻り。
*
・毎年、大家さん廻りは、一箱古本市前の助っ人集会のあとに行われる。
谷根千も結構ひろいので、5チームに分けて、各大家さんを3から4スポット
まわることにした。
・わたしたちのチームは、助っ人さん二人とわたし、そして南陀楼綾繁さん。
・助っ人集会の会場である不忍通りふれあい館の裏口から出発。あんぱちやから
アイス最中の芋甚を右にまがって藍染大通りへ。ここからcafe&bar猫八を横に
見ながら、南陀楼さんの先導により、右の狭い横丁に入る。うわっ、知らな
かったこの道は。
・すぐに小さいパン屋さんに出合う。ここが「Bonjour mojo2」。南陀楼さんを
見つけた店主さんがニコニコしている。さっと右手を挙げた南陀楼さんのポーズ。
これが実によいのだ。
*
・わたしは、さいたまに住んでいる。故郷でありながら、ちょっと外れているので
近くに知り合いはいない。通うような飲み屋もないし、外食するようなところは
チェーン店ばかり。
・近くに顔見知りがいないというのは、誰に気兼ねすることなく暮らせるということも
あるが、さみしくもある。ひと恋しくなるのである。
・そうなのだ、住んでいる町で知り合いにあって、会話に入る前の間合いともいえる
南陀楼さんのポーズがこれがうらやましいのだ。
*
・南陀楼綾繁『谷根千ちいさなお店散歩』
- 作者: 南陀楼綾繁
- 出版社/メーカー: WAVE出版
- 発売日: 2014/04/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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書いた本である。紹介されているお店は40スポット。全てといっていいスポットが
「不忍ブックストリートMAP 2014〜15」に掲載されているこれが“好き”の証拠。
・ただの谷根千のガイドブックではない。たとえば、「貸はらっぱ音地」なんて、
見た目はただの空き地なんだから、数行でしか紹介しない雑誌ではとりあげないだろう。
南陀楼さんは、「貸はらっぱ音地」ってなんだということを掘り下げて書いているから、
ただの空き地だって、いろいろなものが見えてくる。やはり、これは自分の好きな場所、
好きな人のことではないと書けないことなのだと思う。
・こう書いてきて思ったのは、同じ不忍ブックストリートの実行委員である中濱潤子さん
の本『ヴァン・ナチュール 自然なワインがおいしい理由』と似ているなあと。
・この本もただのヴァンナチュールのガイドブックではない。
『ヴァン・ナチュール 自然なワインがおいしい理由』
http://d.hatena.ne.jp/heno3ban/20131225
・あとね、和田高広さんの写真。店内の様子、店主の笑顔。P76のへび道の写真なんて
最高ジャン!