串田孫一『若き日の山』

・はからずも最近飲み会で話題になるのが「社内接待」。
 いつごろからあることばなのか。まあ、意味はすぐに
 わかるのだが。数年前まで聞いたことなかった。
・何十年も同じ会社で働いていて、中間管理職から上に
 行こうとするとこれが待っているそうだ。具体的に
 いうと社長あるいは、役員クラスと休日にゴルフに
 行く。平日の夜は、クライアントを接待して飲み歩くので
 家族と過ごす時間なんてない。
          
・日経連と連合が100時間残業で合意したというが、
 中間管理職はこれ以上働いていることになるんだろうな。
・そのひとの仕事をこなす能力とか、ひとをまとめるリーダー
 シップとか、そういうことで評価するということがあたりまえ
 でなくなってしまったのだろうか。
・だいたい残業ってなんなの。労働時間を超えたものだよね。
 それを認めるっていう連合もおかしなものだ。理想はないのか。
           
・先日、朝のNHKBS「キャッチ世界のトップニュース」で
 デービッド・アトキンソンという元アナリストが
 「日本病の実態」と題しておもしろいことを言っていた。

「日本人の労働者のスキルは世界一高いんです。
だけども、先進国の中で一番下の生産性しかあげていない。
あんなに一生懸命働いていて、あんなに色んなスキルを
持っているにもかかわらず、経営者がそれをいかせていない。
いかせていないから、所得が上がらない。

……この高いスキルなのに、ここまでの生産性しかできていない
日本の経営者は、奇跡的な無能なんですね。

・「奇跡的な無能」ってすごいことば。「社内接待」なんて
 やらせているからだよなと思ったね。東芝も「奇跡的な無能」
 だよね。
・テキストであがっているから読んでみてください。

“日本病”の実態〜英国人元アナリストが警鐘(3/13)
http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/catch/archive/2017/03/0313.html

・本もだしてますね。これは読んでみたい。

          
・きょうは長いなあ(笑)
・もうひとつ、いいたいことがあるんだ。これもNHKBSだけど、
 山の番組というと「日本百名山」なんだよな。まあ、百名山
 ブームだと思うけど。なんかな、日本に百しか山はないのかね。
・そりゃ、深田久弥が選んだ「日本百名山」はいい山ばかり
 だと思うよ。わたしも20ぐらいは登っている。でも、なんか
 その100の山を登ることだけが山登りみたくなっちゃていないかい。
・「日本百名山」すべて登ったら達成感はあるよなあ。お遍路じゃ
 ないけど願をかけている人もいるかもしれない。それは否定しない
 けどね。
          
串田孫一『若き日の山』(集英社文庫)を読了。集英社文庫版がでてこない。ヤマケイ文庫で復刊してますね。
          
・このなかの「荒小屋記」というはなしがいい。戦後、山形の新庄、
 荒小屋での生活。東京の家は焼け、友人や親戚は戦死したものも
 おり、山に登らず、寒さに耐えて、思索する。
・この本を読んで思ったが、山登りは自由であるべきだ。友人と
 出かけてもいっしょに登らず、テントで思索にふける。
・そうそう究極は山に登らなくてもよいのだ。