尾形亀之助『美しい街』

チャック・ベリーが亡くなった。享年90歳。
 20年前ほどか、赤坂のブリッツにチャック・ベリー
 観にったなあ。前座がクールスで、そのせいかちょっと
 時代ずれしたロッカーのお兄さんが多かった。
・もう、あまり覚えていない。生で観られたということだけ
 しか残ってないなあ。チャック・ベリーは1926年生まれ。
 マイルス・ディビスと同い年。そして父もいっしょ。
 父には長生きしてもらいたいものだ。
         
・あっ、いまググったら2003年の公演ですね、観に行ったの。
 ということはあのとき76歳だったのか。
         
尾形亀之助『美しい街』(夏葉社)。これは美しい本。
 B6変形サイズ 丸背厚表紙溝付き製本(ちよっと調べた!)
 色合いがいいよね。青灰色っていうのか。好みの色。
 サイズと色、手にとったときの感触がすごくいい。なじむ。
・表紙、タイトルを左右センターの天より。作者名、押絵者名が頭ぞろえで
 感覚をあけて並ぶ。白い帯に帯の文字が本の色とあっている。
・本文の背側にオールドスタイルな書体のイタリックノンブル。
 これがおしゃれだな。見たことがない。
・本文の行間、全体の空間もいいなあ。詩だからね。
 全体的に夏葉社らしい。
         
尾形亀之助の詩はほとんど知らない。むかし沖縄のロマン書房の
 アダルトコーナーでエロ本のあいだに現代詩文庫の尾形亀之助
 300円で見つけて有頂天になったことがある。こんなところに
 こんな本が……
・「いつまでも寝ずにいると朝になる」って詩がいいな。
 当たり前のことなんだけど、文字になるとなんとなく納得してしまう。

美しい街

美しい街