サザエさんの東京物語

・いい本を読むとその作者のことを知りたくなる。
 それで自伝などを読んでみるのだが、だいたいが
 つまらない。たぶん自分に都合の悪いことは
 書かないからだと思う。
・その点、近親者が書いた「わが夫」や「わが父」みたいな
 人物伝はおもしろい。それも作者が亡くなっているほうが
 よい。気兼ねなく書けているようなので。
 色川孝子「宿六 色川武大」はそのいい例かもしれない。
長谷川洋子「サザエさん東京物語」(朝日出版社を読む。
 妹が書いた長谷川町子の人物伝だ。
長谷川町子手塚治虫と並んで昭和が生んだ大漫画家だと
 思うのだが、評論を含めて長谷川町子を扱った本は極端に少ない。
サザエさんは子供の頃から好きだったから、長谷川町子って
 どんな人なんだろうという想いがずっとあった。
・この本はそんな疑問を埋めてくれることになった。
 ちなみに昔読んだ千葉敦子『ニューヨークの24時間」を
 出版した彩古書房が長谷川洋子の会社だとこの本でわかった。

サザエさんの東京物語

サザエさんの東京物語