たまには読んだ本のこと

・横浜 黄金町「たけうま書房」で阿奈井文彦『喫茶店まで3分20秒』を見つける。

喫茶店まで歩いて3分20秒 (1978年)

喫茶店まで歩いて3分20秒 (1978年)

・「アホウドリのTOWN TRIP」という副題がついている。1977年当時の街の雰囲気
 伝えてくれる。たとえば、

こういう精神状態に落ちこんだときは、パチンコをするか、古本屋に入るか、
映画館の暗がりに逃げこむ習慣になっているけれど、あいにく原宿の町には、
この三つのすべてが欠けている。

・いまでも原宿は変わってないなあ。
・また、わが住まいのあらまほしき環境として、
 1. 近くに感じのよい喫茶店があること 2. 古本屋が二、三件あること 3. 銭湯
 4. 映画館。これらが住まいの近くにあってほしいのが理想だといって、早稲田
 に住んでいる。これもいまとあんまり変わっていないような気がする。
・わたしの理想の住まい環境と一致する。付け加えるならば、美味しいパン屋が
 近くにあって欲しいなあ。
          *
・高校時代の一番好きな科目は地理。地理が好きというより地図が好きだった。
 だから、わたしの趣味も地図にまつわるものが多い。
・鉄道、バイク、山登り。
・今尾恵介『地図を探偵する』(新潮文庫)を均一棚で見つけてペラペラみて
 いたらもうピンポイント。

地図を探偵する (新潮文庫)

地図を探偵する (新潮文庫)

・「地図を歩く」の中から、歌志内線廃線紀行。鉄路の痕跡が消えていく
 炭鉱の街と題して、25000分の1の地図と時刻表を使って歌志内線を紹介 
 している。
廃線には興味がないが、ずいぶんと昔に歌志内線に行ったことがある。
 歌志内線と尾根を一つ越えると函館本線上砂川支線が平行している。
 わたしは両方に乗りたいから、歌志内線の文殊駅から上砂川支線の東鶉駅
 まで文殊峠を歩いたことがある。1kmぐらいの距離だったと思うが今尾恵介
 も歩いているんだな。
・わたしは上砂川駅の待合室が天井が高く、風通しがよくて好きでその
 数年後の夏 にまた来ているのだが、あの頃の炭鉱街の写真を撮って
 おけばよかったなあ。絵になる被写体がたくさんあった。
          *
・オフロードバイクに乗り始めた頃は、市川に住んで行徳の旧道
 がカーブやクランクが多くよく走っていました。
 おいしい蕎麦屋もあったっけ。
・この本には、この行徳の旧道にことも書いてある。下総行徳・成田街道
 炎暑逍遥。敵の勢いをそぐという目的のために道が鉤型にまがっている
 というのだ。へえ、そうだったんだ。
          *
・そうそう、歌志内の25000分の1の地図を見ていて思い出したが、文殊峠は
 墓地になっていてそのなかを雪のなかを恐々と歩いていたんだ。
 (25000分の1の地図の文殊峠にお墓の記号がついている)