半藤一利 『山県有朋』

・お正月にBSで明治天皇の皇后の番組があった。明治天皇はあだ名を

 つけるのを得意としていたという。

 ・山県有朋のあだ名はキリギリス。

山県有朋 (ちくま文庫)

山県有朋 (ちくま文庫)

 

・幕末志士のなかではいちばん人気がないのは山県有朋ではないだろうか。

    著者も不人気がゆえに資料やエピソードが少ないとあとがきでなげいている。

・明治の三傑が亡くなって明治を引っ張っていくのが、陽の伊藤博文と陰の山県有朋

 いやあ、明治のこと有朋のことホント勉強不足でした。吉田松陰尊王を生涯を

 かけてつきつめていって、のちの昭和だけでなく平成の終わりまで影響を与えて

 いるという恐ろしさ。明治150年を考えるのにふさわしい一冊になりました。

2018年をふりかえる

・そうか西荻窪戎南口店のコの字カウンターがなくなって
 もう一年になるのか。あれから北口店に1回行ったきり
 だなあ。う〜ん、時間が経つのは早い。
・映画はほとんど深谷シネマで観ていたな。いままでは
 東京まで行って単館ロードショーが多かったけど。あれ、
 最近はネット予約になってきたから、高崎線が遅れたり
 するとあせるのですごい早めに家をでて時間をつぶすの
 がネックだった。深谷シネマは3つ先の駅だから重宝
 しています。
         
・本はことしの前半は読めなくて、ここのところペースが
 上がってきたから平年並みの読書量といったところか。
 でも途中で投げ出した本が多く、集中力の持続がなかった。
 新聞や雑誌も同様でほとんど読まないでたたんでしまったり
 でした。ほんとよくない傾向。原因はわかっているスマホ
 SNSである。
・新刊だと積読にするにはもったいないからと読み終わらせる
 のだが、つまらない本も多かった気がする。ほとんどが新書
 だけどね。
・ことしよかった本

「龍馬暗殺」桐野作人(吉川弘文館
「浮かれ三亀松」吉川潮新潮文庫
「マイルス・ディビス自叙伝1・2」(宝島文庫)
「ある男」平野啓一郎(文学界6月号)
「右翼の戦後史」安田浩一講談社現代新書
大山康晴の晩節」河口俊彦ちくま文庫
「悪魔の玉手箱」時実新子(実業の日本社)
「言の葉さやげ」茨木のり子花神社)

・「右翼の戦後史」は新書だけど一気読みしたなあ。
 マイルスの自叙伝はおとらのマスターに進められて
 読んだ。いままでマイルスの伝説がどれだけ偏見に
 満ちていたか。
・それぞれ目を開かせてくれた、「言の葉さやげ」には
 まいってしまった。「人生で一番好きな本」っていう
 のがわたしのなかにはなかったのですが……
・来年もよろしくお願いします。

時実新子 『悪女の玉手箱』

・図書館で借りてきた、久しぶりの時実新子。面白い本
 は多々ありますが、この本はそのなかでも愉快で楽しい本です。
 自分でもほらふきと言っていますが、どこまでが本当でなにが
 嘘なのかわからないエッセイ。
・駅で買った天津甘栗のはなしが出てきますが、最近見かけなくなり
 ましたね。むかしはどこの駅にも売店が出ていたと思うのですが。
 吉祥寺ハモニカ横丁の天津甘栗もいつの間にかなくなってしまった。

悪女の玉手箱

悪女の玉手箱

吉田篤弘 『京都で考えた』

Twitterで詩に関するイベント情報が流れていて、詩の
 好きな友人の顔が浮かんできたので、DMで教えてあげた。
・そしたら「そのイベントの主催しています。
 いまてんやわんやです」と返事がきた。
・そりゃそうだよな。
         
吉田篤弘 『京都で考えた』(ミシマ社)を読了。

京都で考えた

京都で考えた

・ちょっと変わっていて本文に見出しがなくて、そのかわりにアステリスク
 が間に入っている。ので、どこがはなしのはじまりで終わりなのかが
 わからないで進んでいく。
・京都では古本屋、古レコード屋、古道具屋、喫茶店、洋食屋を廻って考える。
 うらやましいな。実は古本好きのくせに京都の古本屋には行ったことがない。
 だいたい京都に行ったのは20年も前になるだろうか。

岸正彦 『はじめての沖縄』

・このブログ、「はてなダイアリー」なんだけど来年の春に
 なくなっちゃうんですね。「はてなブログ」に移行してください
 ってメールがくるらしいんだけどわたしのところには着てないなあ。
・まあ、どこかのタイミングで移行します。これからもどうぞご贔屓に!
         
・久しぶりに書いたら、作法を忘れてしまっているなあ。やばいわ。

はじめての沖縄 (よりみちパン! セ)

はじめての沖縄 (よりみちパン! セ)

・岸正彦 『はじめての沖縄』(新曜社)を読了。いやあ、ずっと
 買おうと思っていのだが、往来堂に行けなくてもやもやしていました。
 往来堂と同じポイントカードが使える今野書店で購入。
・ヤマトンチューとしての沖縄。つくづく自分は考えること、書くことが
 できない人間なのだなと。岸正彦はわたしの代弁者ではないかと。
 そうだよなそうだよね。

私たちは規則を破らないと他人に親切にできない。無意味な規則はできるだけ
破ったほうがよい。自治の感覚

自治の感覚を沖縄のひとは持っているというんだな。他人に優しくすると
 いうこと。鴻上尚史「孤独と不安のレッスン」にも同じようなことが書いて
 あったな。沖縄のひとがどうこうということではないけど。
・ことしは沖縄に行けそうもないな。

平野啓一郎 『ある男』

・5//19に川口ブックマーケットに参加しました。
いやあ、あの晴れ続きの川口は今回は金山会館かと
 思われましたが、どっこい川口神社の境内は乾いて
 おり無事に予定どおりの開催となりました。

行田駅8:54の高崎線→川口には10時前→川口神社到着
→3年ぶりかな、仕事が土曜休みになってしまったので川口には
参加できなかった。きょうは有給できました→場所はなかほど19番
→不忍の助っ人さんで考えると神崎屋紫堂、古書ますく堂、駄々猫舎
ハコノモリ堂それにことしの新人やまね洞→神崎屋紫堂は、ますくシステムだが、
モンガシステムにも組み込まれているというレアなひと→駄々猫舎は
久しぶりだな→となりは縁側一箱でご一緒だった碧山書房。山関係の
新しい本が多いのでじっくりと眺めてしまう→そのとなりのとなりが
ああ、ことし谷根千工房賞をとった小声書房。はなしをしていたら、
縁側一箱でわたしのところから武田花の本を購入したという→ぺろん
書房とはなしをしていたら不忍一箱で往来堂に出していたという。ああ、
レインボーのとなりね、と言ったらみなさんからそう言われますとのこと
→11時開始。ひとは集まってきたらわたしのところにはお客さんが来ない。
30分ぐらいしてやっと、女性が2冊買ってくれた。岩波写真文庫「回虫」が
目玉なのだが、あのグロテスクな写真を見てくれたのはうれしかった→
助っ人のT永さんが遠くから来てくれた。うれしいなあ→同じく助っ人の
Y原さんも→そしてなんとみきち屋さん。わたしが店主でとみきち屋が客と
いうのはいままでになかったな→ハコノモリ堂といっしょに店主ができる。
もう3年ほど助っ人をしてくれているI子ちゃん。会うたびに大人になって
きたな。うれしいな→つぐみ堂さんは岩波写真文庫「郵便切手」を買ってくれる。
そうかつぐみ堂、とみきち屋とはモンガ堂での貸し棚仲間だった。ここでも
モンガシステム発揮→なんか雲行きが怪しくなってきて、東京アメッシュ
みると雨雲が近づいている。実行委員のA木さんにはなすと「雨はなかなか
川を越えてきませんから」と悠然とされている。そしてその通りになった。
そうそうA木さんも不忍の助っ人さん→結構3時から5時のあいだが長かった
→終わり近くに古本酒場狸穴のブラボーさんが来られる。相変わらずはなしが
おもいろい→5時終了。残った雑誌をますく堂に押し付ける→もりのほんやで
『やまがらの芸』小山幸子(法政大学出版局)を見つける。ほんとに本は
出会いだ→実行委員箱からバウハウスの図録を100円で→ますく堂からは
迷いに迷ったが平田俊子さんの図録を1200円で。こんなの出ていたのか→
打ち上げには出たが、神崎屋紫堂主催の飲み会には遠慮させてもらった。
もう歳だね→帰りは古書ふるほん堂さんと古書会館のはなしをしながら、
大宮で崎陽軒のシュウマイ弁当を買って帰宅

     
・川口のはなしがながくなってしまった。
・水玉ちゃんがフェイスブックでこの小説はおもしろい、是非読んでみて
 とつぶやいていたのが平野啓一郎 『ある男』。雑誌文学界6月号に掲載
 されている。水玉ちゃんといえば、横山秀夫「64」も以前おススメして
 もらってめっちゃよかったの期待大。
平野啓一郎 『ある男』。普段小説は読まないのだが、これはぐいぐい
 読ませた。はなしの展開としては推理小説のようであるが、それだけ
 ではない。
忌野清志郎が語っていたように「地震のあとに戦争が来る」というような、
 震災以後の社会不安な現代。それがもやっとしていたのだが、この小説を
 読んでいるとこのもやがちょっと晴れてきた感じがした。そうかそうなのか。
 現在の問題のつながりが整理されている。
平野啓一郎なんて読んだことなかったが、興味が湧いてきた。