永島慎二に初めて会ったのは1985年ころ。
浦和での新日本文学会勉強会でのこと。
その時に作品のシリーズに色が入っていることを
質問した。あがっていたのだろう、
答えは覚えていない。
1996年の雑誌「紙魚の王国」創刊号(籠目舎)
でのインタビューはそのことにふれている。
たまたま僕は「黄色い涙」を描いたんだけど、中国の
色の設定でいくと、黄色が真ん中にあって、その右に
青があって、下に赤があって、左に白、上に黒、これ
で全宇宙が成り立っているというわけ。それで、赤、
青、白のシリーズまで描いて、黒だけが今残っている
わけですよ。
たぶんあの時もこんな答えだったかもしれない。
「黄色い涙」は作品群の真ん中に位置するのだ。