腕を回すこと

・医者に質問した。
 「ところで先生、病気のお名前は?」
 すると医者はわたしの肩を眺めながら、こう答えた。
 「病気の名は、四十肩。そろそろ五十肩だが……」
 医者、あたまを掻きながら
 「ま、四十肩でよかろう。どうせどこの馬の骨ともわからんやつだ」
・完治まで2年。治療法、腕を回すこと。やれやれこの病とも
 長い付き合いになりそうだ。
矢野誠一「酒と博奕と喝采の日日 」(文春文庫)を読み終える。
 相変わらずテンポがよい。伊藤一葉なんてすっかり忘れていたよ。