・横浜の神奈川近代文学館「西村繁男の世界展」に
行ってきました。横浜まで行くには「休日おでかけパス」
2670円を購入したほうが安いのだ。
・出かけようとしたら、高崎線人身事故で不通に
なってしまったので2時間ほど遅れてでかける。
*
企画展「絵本作家・西村繁男の世界展 やこうれっしゃで出発!」
http://www.kanabun.or.jp/exhibition/4691/
・お目当てはもちろん「やこうれっしゃ」の原画。この
絵本を知ったのはそんなに古くない。10年も経って
いない。なんといっても最初の開いたページの上野駅の
中央改札口風景。これがもうたまらない。
・改札口にの上にある壁画、猪熊弦一郎「自由」。これを境に
して内と外で分けられて描かれている。なんといっても
あの木製でペンキで塗り分けられていた列車札。駅員さんが
改札に板を渡して、出発した列車札をはずしている。
もう、これだけでたまりません。
・台車を押す赤帽さん。書かれていないが上野駅の赤帽の控え室は
どこだかわかる。ターレットというのか荷物を連結して運ぶやつ。
あれも2年ぐらい前まで13番ホームと14番ホームの間に置いてあった
が最近はみないなあ。
・列車札を見上げる人、その横で腕時計を見る人。旗を持った先頭に
つながる団体客。結婚式のあつまりのあとの見送り、転勤の会社員を
見送る同僚。もう、ひとりひとり見ているだけで楽しい。
・以前一箱店主のだいこん洞さんが、この絵本のすばらしいところ
としてこの中央改札の通用口を通る車いすが描かれていることだ
と指摘されていました。確かに細かいところまで読む人のことを
考えて丹念に描かれている。
*
・この列車は上越線廻り急行「能登」金沢行だそうで、時期は冬。
この絵本は1980年発行。1978年に糸魚川まで行ったことがあるが、
その時に乗ったのが「能登」だったろうか。寝台と普通、グリーン
の混合の急行というのは珍しかったのではないか。特急はみんな
寝台だったし。
・上野駅の下ホームの一番はじの13番線が夜行列車のホームだった。
当時の時刻表が手元にないので確かなことはわからないが、中央改札の
次の見開きが出発前の荷物車の風景。これを見ると13番線のように
思える。
・いやあ、全部のページのことを書こうとも思ったがネタバレになるので
このあたりでやめるが。人や列車の細かい描写が夜行列車って、こう
だったよなあというのを思い出させてくれる。
・何回みてもこころおどらされる絵本は他にはない。
- 作者: 西村繁男
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1983/03/05
- メディア: 単行本
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・<追伸>
それにしても1978年から1988年まで上野駅で乗り換えて、通学・通勤
していたのに上野駅を写真で残しておかなかったことが悔やまれる。