ホーム転落事故の記事を読んで

・先日、東京で街を歩いていて(もちろん古本屋にいく途中)に、
 視覚障害者の女性の方が電柱に向かって歩いていたので、まずいと
 思って「どちらに行かれるのですか?」と声をかけた。
・信号を渡った向う側の郵便ポストだという。わたしは左側に
 立ち、右腕を曲げてそこを持ってもらい同行した。右手は白い杖を
 持っていらっしゃる。
・郵便ポストまでお連れして、ここで別れようと思ったがもう一度
 声をかけていまきた道をまた一緒、ここまででいいですよと
 いうところまで戻った。
         
・このようなことは10年前にはできなかった。できるようになったのは
 仕事で点字カレンダーを作るために何人もの視覚障害者にお会いして
 からである。
・最初にお会いしたのが内田兄弟でいっしょに歩くのにどうすれば
 よいかわからなかったのでコーディネートしてもらった坂部さんに
 教えてもらいわたしの肩に弟さんの手を載せてもらっていっしょに歩いた。
         
・わたしはいつも視覚障害者に声をかけているわけではない。たとえば、
 雨が降っているなか傘をささないで歩いている人がいたら声をかける。
 右手に白い杖を持って、左手に荷物を持っていると傘がさせないのだ。
・そういう当たり前のことも10年前にはまったくわかっていなかった。
         
・きょうの毎日新聞朝刊の余禄は青山一丁目駅での視覚障害者転落事故
 を取り上げている。そのなかでの気になったこと

いつ誰であれ転落しそうな人をみたら声をかけるのはもちろんだ

・それはもちろんなのだが、みんながみんな声をかけることができるの
 だろうか。かけようと思ってもかけられないのではないか。
・「積極的に声をかけてほしい」という視覚障害者の意見も載っている。
 それが視覚障害者の求めているもの。大切なことは視覚障害者を
 知ること。知ることによって、意識が生まれる。そのことが重要なんで
 はないだろうか。意識が積極的にさせるのではないだろうか。
・今回の転落事故でそんなことを思った。
         
・一番最初に取材をさせてもらった内田兄弟のお兄さんの本があります。
 もう随分と前に読んだので細かいところは忘れましたが、知らないことばかり
 目からウロコでした。 

内田勝
「見えないぼくの明るい人生―ありのままを受け入れる生き方のすすめ」
主婦の友社

・内田さんは超人です。坂部さんのこともでてきます。ちょっと前にでた
 本なので書店では探しづらいかもしれません。図書館で探してみてください。