日々のこと 22 ビールの小瓶

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・「土曜半どん」ということばをいまの人は知らないだろうな。

  まだ週休一日制の時代、土曜日は仕事が正午まででした。

  それで「土曜半どん」。半どんのどん、ってなんだろう。

・週末の土曜日午後休み。あしたは日曜日で一日休み。

 仕事から開放された時間、これがたまらなくうれしい。

・そのころは西新橋で仕事をしていました。「土曜半どん」の

 過ごし方は、歩いて銀座まで行って「銀巴里」で平野レミシャンソン

 聴いたり、上野のジャズ喫茶「イトウ」で漫画を読みながらジャズを聴いたり

  などなど。そして一番多く「土曜半どん」を過ごしたのが都営三田線で神保町。

 餃子の「スヰートポーヅ」から書肆アクセスというパターン。

・当時「スヰートポーヅ」はおばさんが仕切っていて席を案内してくれる。

  ちょっと不愛想なところもあるんだけれど、水がなくなるとすぐに入れて

 くれたり、他の席が空くと広い席に誘導してくれたりテキパキとして

 親切なひとでした。

・90年代の終わりぐらいだったか、このおばさんの姿が見えなくなった。

 店のひとに聞いたら辞めたという。わたしはこのおばさんが店主だと

 思っていたので普通の店員さんだったと知ってびっくりした。

・いつも餃子12個の中皿ライス。それにまだ陽が高いからビールの小瓶。

  おしゃれでしょう。一週間の仕事の疲れをビールの小瓶で流すのだ。

・その「スヰートポーヅ」が閉店するというツイートが流れてきた。唖然である。

 わたしにとってあの餃子は唯一無二で日本一うまい。もうあの餃子が食べられないのか

 と思うと悔しいし、寂しい。コロナでの閉店だという。コロナのばか!