第20回一箱古本市

不忍ブックストリート一箱古本市は20回目になります。
 長いのかはたまた短かったか。よくわかりませんが。
・ことしは4/29(日)開催です。店主の募集が明日です。
 こちらが募集要項です。

しのばずくん便り
http://d.hatena.ne.jp/shinobazukun/20180227

・参加費が2500円になりました。
よろしくお願いします。

桐野作人 『龍馬暗殺』

・昨日は、不忍ブックストリートの助っ人さん
 顔合わせ会でした。30人近くの方に集まって
 いただきました。ことしはリピーターの方が
 多くうれしい限りです。一箱古本市のことに
 ついては改めてこのブログに書きます。
         
・歴史ものが読みたいと思い、ある有名な歴史家
 の方の文庫を買って読んだのですが、つまらない。
 いままでに何冊も読んでいるのに。もう、亡くなら
 れていての新刊なので、出す必要はなかったの
 ではないだろうか。
         
・桐野作人 『龍馬暗殺』(吉川弘文館

・そんなことで欲求不満が高まっていたので、この本は
 読みだしたら止まらなかった。
・一次史料を読みなおして、それを分別して龍馬暗殺
 を解いていこうと。ほんと歴史ってミステリーを
 読んでいるようだ。
・たまたま先日NHKBS「英雄たちの選択」で龍馬暗殺を
 取り上げていて、司会の磯田道史が言っていたが、

龍馬が生きていたらその後の明治維新もずいぶんと変わって
いたのではないか、というところに龍馬暗殺は誰がやったの
かというところが知りたくなる。

 と、そしてそこから龍馬は英雄にされて、あとから物語
 が作られていって、真実がわからなくなっていく。
・あまりこの本のことを書いてしまうとこれから読むひとに
 魅惑になるので控えますが、あれが後世のノンフィクション
 なんだというのはびっくりでした。
・龍馬が歴史教科書から消えるというニュースがありましたが、
 そうなんだということがよくわかりました。だからといって、
 希代の周旋家として龍馬は歴史に影響を与えていて、それが
 物語を生んでいるということのようだ。

藤木TDC 『場末の酒場、ひとり飲み』

・二日酔いである。土曜日にいつものodaiba氏と湯島「岩手屋」。
 いやあ、いい店でした。食べたものすべて美味しかった。
 おすすめっをお聞きして、なままつもを酢醤油で。これがね、
 さっぱりしていてくせがなくて、それなのにつまみにぴったり。
・ふきのとう天ぷら、牛たたき、いかのワタ入り干し、そして
 ひっつみ。ひっつみはあったまるわ。
・「岩手屋」は悪くない。よかった。なんでひっつみまで食べて
 泥酔するんだ。そのあと2軒はしごしたのがよくなかった。
 なんとか家には帰れたが、日曜日は2時までふとんにくるまって
 いた。
・そして日曜日夜も不忍のミーティングがあり、東京まででかけ
 そのあと飲み会のロケハンで串猿へ。さすがにウーロン茶でしたが。
          
藤木TDC 『場末の酒場、ひとり飲み』(ちくま新書)読了。

場末の酒場、ひとり飲み (ちくま新書)

場末の酒場、ひとり飲み (ちくま新書)

・飲み屋ガイドにはなっていなくて、場末とはなんぞやを探っていく。
 色街なんて、なんとなくしか理解していなかったが、はあそうなんだ。
・東京の場末をひとり飲み歩く。うん、やってみたい。いやあ、
 いまは遠慮しておく。

へのさんの鉄分


・わたしにも鉄の時代がありました。もうかれこれ
 40年もむかし。そのころのネガを30本ほど富士
 フイルムのネットでスキャニングしてもらい、
 それをインスタグラムにあげることにしました。

へのさんの鉄分
heno_tetsu

・まだ子供でしたから、満足のいく写真はほとんど
 ありませんが、貴重な写真もあるやもしれないと
 公開することにしました。
・もう、100点ほどアップしました。興味のある方は
 覗いてみてください。

大沢在昌 『鮫島の貌 新宿鮫短編集』

・最近、古本屋でよく掘り出し物にめぐりあう。
 見つけてオッと思って、巻末をめくって値段を
 みるとオオッとなる。金額がひとけた違う。なかには
 100円なんて書いてあったりすると二度見して
 しまう。1000円の間違えじゃないかって。
 1000円だってお買い得なんだけど。
・もうこれで古本運は使い果たしてしまったのかも
 しれない。
・掘り出し物に出会える確率の高い古本屋はわたしの
 なかでは3店あるのだが。共通しているのはどこも
 メジャーじゃない店。雑誌で紹介されない街の古本屋って感じ。
 値段の付け方が100円、300円、500円、1000円ぐらいしかなくて。
 高い本がほとんどない。大判の写真集に300円なんて
 書いてあって、マジかよと思ったことも。それに帳場に
 パソコンがない。店内にAMラジオがかかっている。
 昭和な古本屋。ほんとはこんな古本屋さんて回転が
 悪いんだけどどういうわけか棚ががらって変わっていた
 りする。買取りのお客さんがいいんだろうな。
・あと店頭の均一がいいんだよ。わたしの好きなカラーブックスとか、
 古いカッパブックスとかどさっと並んでいたりして。
 (ちょっと妄想!入ってますが)
・店頭均一がいいと店内のクオリティも高いから、期待が
 膨らむよね。店頭で何冊か掴んで店に入るのが理想。
・店頭均一の素晴らしさは、荻窪のささまや西荻窪音羽館
 教えてくれた。最近は、三鷹の水中書店や阿佐ヶ谷のコンコ堂
 がミニコミ誌などあまり見かけないいい本を揃えているから、
 うれしくなってしまう。
・そのコンコ堂の均一で買ったのが、大沢在昌『鮫島の貌
 新宿鮫短編集』(カッパノベルズ)。読了しました。

・ハードボイルドミステリー、最近はほとんど読んでいないけど、
 新宿鮫なら間違えない。一気に読めました。やっぱいいね。

権力のある奴が公然と富をかき集められるようになったら、
その国は終わりだ

・会話に出てくる鮫島のことばだけど、そのとおり! 

茨木のり子 『言の葉さやげ』

・何冊も読んでいた作家がパタって、読めなくなること
 がある。たとえば、司馬遼太郎。「坂の上の雲」が途中から
 読むのが苦しくなった。どうにか読み切ったけれど。
 それまでにたくさんの代表作を読んでいて、最後に残った
 のがこの本だったか。司馬作品のなかで「坂の上の雲」が
 一番好きだというひとは多くいるだろうが、わたしは違った。
         
・だからということでもないと思うのだが、正月からこの方
 読みかけて積読本が結構出てきてしまった。新刊で買った本は
 どうにか読んだ。古本で買った本が読み切れない。均一で
 あれば手放してもよいが、それ以上のお金を出しているのでね。
 それにしてもなんでこうなってしまうのか。読めないという時期は
 あるにはあるのだが。
         
・詩人が書いたエッセイを読み始めたのは、平田俊子さんのトーク
 聞きにいってからだろうか。金子光晴茨木のり子は間違えない。
 途中で投げ出すことはしない。
茨木のり子『言の葉さやげ』(花神社)読了。

言の葉さやげ

言の葉さやげ

・詩人のエッセイはことばを大事にしているから、しっかりした文章を
 かけるんだろうな。

けれども私は、自分はマイホーム主義者ではないというポーズをとる男
たちに欺瞞を感じるし、こんなものには一顧だに与えないという見栄から
は、どんな形であれ「寂しさの釣り出しに会う」のはたったの一歩だと
思う。

 金子光晴のことを書いているんだけど「寂しさの釣り出しに会う」
 なんかわからないけどいい言葉だな。 
・これもよくわからなかった。

にがよもぎみたいな詩を書く一方で、年齢を超越した『ことばあそびうた』
が同時に生まれている。端倪すべきからざるところである。

 これは谷川俊太郎のこと。「にがよもぎ」はググっても植物とはあるけれど
 どのような意味があるのかはわからなかった。国語辞典には載っていなかった。
 しかしなんとなく感じることはできる。
茨木のり子のエッセイははずれがない。読書が不安定なときに本棚にささって
 いるとホッとする詩人である。

鴻上尚史 『クールジャパン⁉』

・先日、朝から晩まで雪かきをしました。いっしょに
 参加したのは定年後のお年寄りばかり。もっと若い人
 も出てくればはかどっただろうに。
・学校なんて休みにして。特に大学なんて、授業にでる
 よりためになるよ。奉仕とかということでなくて体験
 実習だね。雪かきするとテンションがあがってね。
 寒いんだけど汗かくし。雪かきって雪遊びの一種なんだ。
 だから、楽しい。
・いつも挨拶だけのひととコミュニケーションは取れるし、
 顔をあげれば笑顔になれる。こんないいことないんじゃない。
・終わってからひとり自宅で蔵王スターという美味しいワイン
 があったからそれで雪見酒としゃれこんだわけよ。
         
鴻上尚史『クールジャパン⁉』(講談社現代新書)読了。

鴻上尚史、づいてるなあ。正月にNHKのクールジャパンの特番をみました。
 この番組、ほとんど見たことないんだけど、鴻上尚史に興味を持ったので
 みたら面白かったわ。その勢いでこの本を読みはじめた。
・日本と海外の比較文化論といってしまえばそれまでなんだけど。この本の
 いいところは最近よくある日本はエライ本、じゃないところ。そりゃあ日本が
 世界に先駆けて編み出した技術や製品は数多くあるんだけどね。
・やはり日本は極東の島国でそれによってガラパゴス化している。そのなかから
 海外のひとに褒められるものと、えっ、なんで!と思われることがある。
 そうなんだ、そうなのかと考えさせられるものが多いことに気づかされました。

外国人から見ると、日本人はストレスが起こる相手や原因に対して、充分に話し
合ってないように見えるようです。とにかくストレスの原因や根本に向き合わない
で、ストレスを忘れるためにいろんな工夫をしていると思う、と外国人は
言いました。

・これなんか、ほんとそう。職場で上司との人間関係をこじらして、ストレスを
 ためたときなんか、そのストレスを解決するのにその上司とはなしをしないで
 癒し系のストレスグッズに頼る。いやあ、まったくもって。
・それにしても先週末は、雑司が谷みちくさ市や古本屋を廻ってどっさりと
 古本を買ったのに、積読状態にして図書館で借りたクールジャパンを読んでいる
 ってどういうこと。