【映画】「枯れ葉」角川シネマ有楽町

kareha-movie.com・「枯れ葉」アキ・カウリスマキ監督を観てきました。

・まるでミュージカルのような。決してミュージカル

 ではないのだが。このもやっとしたなかに監督の

 アイデアがあるような気がします。

・カッコいいラジオが欲しくなりました。

角田光代 河野丈洋『もう一杯だけ飲んで帰ろう』

 

角田光代 河野丈洋『もう一杯だけ飲んで帰ろう』

 (新潮文庫)読了!

          *

・著者の二人は夫婦である。その夫婦がいっしょに 

 行った飲み屋のことをそれぞれ書いているという

 形式がちょっと変わっていておもしろい。

・一軒目が西荻窪「戎」だ。新刊ででたばかり。

 この最初の部分が目に入って即買いしました。

          *

角田光代がどこかで「戎」のポテサラをほめて

 いたのを読んだことがあるが、この本では「戎」

 を絶賛している。章の名前も

愛する戎

 だよ。

酔うほどにみんながしあわせそうに見えてくる

 ふむふむ。

この店で喧嘩をしている人を見たことがない

 ほんとそうだよなあ。この鋭い指摘。

ひとりで飲んでいてもさみしくないのがいい

 これなんだな、わたしが戎好きなのは……

河野丈洋もすばらしい。

店全体に「この酒はうまい」と思わせてくれる

空気が充満している

 それはなにかというと店員が作っている「安心感」

 だと。そうそう、客にはなしかけない。これが

 いいんだよね。

【映画】「PERFECT DAYS」さいたま新都心MOVIX

www.perfectdays-movie.jp・「PERFECT DAYS」。ヴィム・ヴェンダースの映画は

 いつ以来だろうか。永島慎二「ある道化師の一日」

 に似ているのかな、と観る前に思っていた。ピエロ

 の衣装を着けたサンドウィッチマンのたんたんとした

 一日を追った漫画である。ツイッターでもそれを指摘

 しているひとがいた。いくつかのシーンは似ていた。

 もしかしたら隠れた原作かもしれないが……。

          *

・車のなかで好きな音楽をカセットでかけるなんて

 やはりヴィエンダースの映画だと思った。「さすらい」

 のなかで走行中のトレーラーのなかでポータブルの

 レコードをかけているのを思い起こした。ただし、

 有名な曲が流れているのはヴィエンダースらしくないな。

          *

・ヴィエンダースの映画は、好きなものと嫌いのものとが

 はっきりわかれているのだが、この映画は好きなもの

 でした。

 

 

【映画】「エドワード・ヤンの恋愛時代」深谷シネマ

エドワード・ヤンの恋愛時代 4Kレストア版 [DVD]

エドワード・ヤンの恋愛時代 4Kレストア版 [DVD]

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・「エドワード・ヤンの恋愛時代」を深谷シネマで

 観る。久しぶりの深谷シネマ。

・見終わって最初の印象は、30年前の映画であるのに

 古さを感じなかったということ。携帯も初期モデル

 だしファッションもちょっとなとは思ったけど。

・人間関係がよくわからないまま進んでいって、やっと

 最後のほうでわかってきた。恋愛映画なのに臭さが

 まったくない。背景に政治のことがあるというところは

 ホウシャオシェンなんかの台湾映画と同じだな。

・弱い男の描き方、感情のぶつかり合いなんかは濱口竜介

 の映画を観ているようだった。

        *

・それにしてもメガネを忘れてしまって、暗いし

 ボケているし、字幕を追うのがやっとという……

 4Kレストア版だというのに情けない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茨木のり子『言の葉さやげ』

 

茨木のり子『言の葉さやげ』(河出文庫)読了!

・わたしの一番好きな本である。元本の単行本は

 1975年発売だから48年かかって文庫になったと

 いうことか。

・ボーナストラックというか、元本に入っていない

 3編が追加されているということで即購入しました。

          *

茨木のり子のなにが好きかと言ったら、ことばの

 使い方が正確無比なところ。あやふやなところがない。

 それでいてユーモアがある。どちらかというと詩より

 散文というかエッセイのほうが好き。

          *

緑の痰のように美しかった少女

・ちょっとあたまが混乱する。緑の痰って、あたまの

 悪いガキの枕詞だろうにとか思えるのだが。

 

2023年をふりかえるー読書編ー

 

・ことしの読書をふりかえります。

・このあいだ朝起きたらなんか変だった。アタマのなかが

 自分じゃない。なんだこれは、そうだ夢を見ている。

 起きているのに夢を見ている。生まれて初めての経験。

 ネットで検索するとそういうことも実際にあるとのこと。

         *

・『流星ひとつ』沢木耕太郎新潮文庫

 ……全編会話というのがすごい。最近「深夜特急」を

 読み返そうかという気分。

・『文字介のはなし」立川談四楼筑摩書房

・『往復書簡 ひとりになること花をおくるよ』

 植本一子、滝口悠生

 ……吉祥寺 古書防波堤にて購入。

・『熊撃ち』吉村昭ちくま文庫

・『土偶美術館』(平凡社

 ……ことしのベスト本。こんなにも土偶があるのか

 とびっくり。美術館というだけあって写真がどれも

 きれいである。

・『絵にしかできない』諏訪敦+大竹昭子(カタリココ文庫)

・『人間万事嘘ばかり』山田風太郎ちくま文庫

・『死ぬまでに行きたい海』岸本佐和子

 (スイッチパブリッシング)

・『見えない絵本』長谷川集平(理論社

・『酒場学校の日々』金井真紀(ちくま文庫

・『本の読み方』草森紳一河出書房新社

 ……もう10年以上積読でした。

・『塩の道』宮本常一講談社学術文庫

 ……鎖国時代は食料自給率100%。この驚き!

・『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』(幻冬舎文庫

・『私のことだま漂流記』山田詠美講談社

・『キッドのもと』浅草キッド

 ……ふたりの関係がわかる。

・『もぎりよ今夜も有難う』片桐はいりキネマ旬報社

・『ぼくはぼくでしか生きられない』吉上恭太

 (かもがわ出版

・『師弟』野澤亘伸光文社文庫

・『いい女、ふだんブッ散らかしており』

 阿川佐和子(中公文庫)

・『神も仏もありませぬ』佐野洋子ちくま文庫

・『どくとるマンボウ青春記』北杜夫

 (新潮文庫

 ……読もうと思いながら何十年。

・『なんだか・おかしな・人たち』(文春文庫)

・『大阪不案内』森まゆみちくま文庫

 ……これはもう森さんにしか書けないのでは。

          *

・もちろん山口恵以子の本もたくさん読みました。

・来年もよろしくお願いします(ちょっと早いけど)

 

 

 

2023年をふりかえるー出会ったことば編

・「ジミヘンは長生きしていれば、マイルス・デイビス

 なれたよ」

 ことし1月に亡くなられた音楽評論家・田川律さんのことば。

 うーん、なるほどと思った。ジミヘンも音楽のジャンルを

 越えて常に前衛であったろうに。

          *

・「起こることには全て意味がある」

 (1/20 毎日夕刊 イマジン 藤原章生

 

・「山田詠美とはどんな作家より根っからのモラリスト

 である」

 (群像 202/1月号 清水良典)

 ……山田詠美「私のことだま漂流記」を読んで納得した。

 

・「人が出会うと意外なことが起こる」

 (NHK ヒューマン 52年目のMINAMATA アイリーン・

 美緒子・スミス)

 

・「書くためには読むしかない」

 (3/1 毎日夕刊 上野千鶴子

 

・「死んだら終わる自分の人生を味わえるのは

 自分しかいない」

 (3/2 毎日夕刊 板橋文夫

 

・「一番怖いものは常識」

 (3/14 毎日夕刊 羽生善治

 

・「現実を見る 世の中を見る 自分を見る」

 「生きている以上出来ることがある」

 (3/16 NHKBS1 最後の講義 宮本亜門

 

・「なぜ移動したいのか。移動は心を落ちつかせる」

 「相手を知るには自分を変えるしかない」

 (3/17 イマジン チリの息子と考えた 藤原章生

 

・「思っているだけでは平和は来ない。行動しなさい」

 (3/20 毎日夕刊 悼む沖縄戦元学徒 中山きく)

 

・「長寿だけが ”生命力” でもないはずです」

 (THE BIG ISSUE vol.452 ケアを紡いで 大宮浩一)

 

・「事実をいくら積み上げたところで真実にはならない」

 「組織とか権力、強いものは疑え」

 (NHKBS1 松本清張と日本の黒い霧未解決ミステリー

  横山秀夫

 

・「貧困など社会問題を扱った本は見つけられなかった

  (安倍晋三の蔵書をみて)」

 (5/24 毎日夕刊 今日も惑いて日が暮れる 吉井理記)

 

・「人はみんな話したいことを持っている。それを聞く

 ようにしなければいけない」

 (塩の道 宮本常一

 

・「迷ったら、やったことのない方を選ぶ」

 (5/30 毎日夕刊 あした元気になあれ 小国綾子)

 

・「万の偽りも一つの真実に敗れ去る」

 (6/8 毎日夕刊 中村哲

 

・「現代社会では戦争を選択したらもう負けなのだ」

 (毎日朝刊 オピニオン論点 8月のジャーナリズム

 の今後 保坂正康)

 

・「誰もがバカと言われるのを恐れている雰囲気がある」 

 (7/30 毎日朝刊 賢人と奴隷とバカ 酒井隆史

 

・「気温より低くなってきた内閣支持率

 (7/30 毎日朝刊 ちょっと違和感 松尾貴史

 

・「無縁遺骨や無縁墓も問題ですが、一番の問題点は

 生きながらにして無縁化しているような人がたくさん

 いることです)

 (8//1 毎日夕刊 無縁化社会の処方箋 小谷みどり)

 

・「人間には人間を殺す権利はない」

 (8/20 毎日朝刊 24色のペン 小田実

 

・「学ぶべきは長所から学ばなくてはいけない」

 (NHKEテレ 100分で名著 覇王の家 安部龍太郎

 

・3mの距離まで近づいたら目を合わせほほ笑みかける

 こと、1.5m居ないにちかづいたらこんにちわと

 いうこと」

 (9/10 毎日朝刊 新・心のサプリ 海原純子

 

・「SNSのいいねはどうでもいいねのいいねだからね」

 (9/30 毎日夕刊 スポーツいま会いたい 石川直樹

 

・「世の中は必ず変わる」

 (10/20 これだけは言いたい 山崎拓

 

・「本には読む時間の前に、選ぶ時間がある」

 (金曜日の本 吉田篤弘

 

・「みんなと同じことをやると競争になってしまう」

 (THE BIG ISSUE vol.467 奈良美智

 

・「写真は時を超えて、過去を現在にしてくれる」

 (12/17 毎日朝刊 迫る 佐野史郎

 

・「古典というものは、当時の前衛だったもの。前衛だけが

 古典として残るのよ。前衛であるものは何か伝えたいもの

 をたくさん持っているんです」

 (12/17 毎日朝刊 私の記念碑 馬場あき子)

 

・「間違っているかもしれないという不安を抱えながら、

 それでも私はこう思うと口にすることで、自分が変わって

 いく可能性に初めて踏み出せる」

 (12/17 毎日朝刊 文化の森 朱喜哲)

         *

・結局、動け!というメッセージが多い。

 自分が動いていない現れですね(笑)