・先日、一箱本送り隊で塩竈に送る本の整理をしました。
ちょっとだけですが……。何冊かの絵本の左上にシールが
貼ってありまして、そこにマジックで「ひ」と一文字
書いてあります。これはなんだろうって、なんだろうさんと
はなしをしていました。
・たぶん、ひろしくんだか、ひとしくんという子供の持ち物で、
ほかの兄弟の本と区別するためにお母さんが「ひ」と絵本に
書いたんだろうと思う。ひとつの「ひ」という文字から
妄想が膨らむ。これは痕跡本ですね。
*
・「痕跡本のすすめ」古沢和弘(太田出版)を読みました。
- 作者: 古沢和宏
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2012/01/26
- メディア: 単行本
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・「これは奇書かもしれない」と毎日新聞の書評で
荻原魚雷さんが書いていましたが、古本から元の持ち主の
痕跡を探すことを教えてもらいました。
・著者の古沢さん(ごっぱさん)もあとがきでこう記して
います。
現在、古本は、大きく分けて「人気」と「希少性」のふたつが
価値の基準です。でも、僕は時折、その中に「痕跡」という
基準が入り込むことになったら、どれでけ面白くなるか……
なんて夢想してしまいます。
・だいたいそういうラインや書き込みなどは嫌なものでした。
そういうものに肯定的にスポットライトをあてたのが、
この本です。痕跡本の写真とごっぱさんの口調そのままの、
軽快な文体、植草甚一のスクラップを観ているような楽しさ
があります。
*
・「わたしの小さな古本屋」田中美穂(洋泉社)を読んでいます。
- 作者: 田中美穂
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2012/01/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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・この本を読むと古本屋を始めたくなります。ほんとに。
自分と向き合おうとしているところがよいですね。
それが、文章のところどころでてきます。
・「祖父母」と題したエッセイなんか、ほろりとさせられます。
永井宏をはじめ、有名無名の人達との交流も蟲さんの
人柄が感じることができます。
*
・「住み開き 家から始めるコミュニティ」アサダワタル(筑摩書房)
が見つかりません。
- 作者: アサダワタル
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/01/01
- メディア: 単行本
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・この本が新刊書店でみつからないのです。どこのコーナーに
置いてあるのかわからない。エッセイやノンフィクション、
ハウツー本、サブカルのコーナーを探しても見つからない。
検索機は壊れているのかヒットしない。
・毎日新聞の読書日和で紹介されていました。自分の家を開放
してイベントをする。
住み開きとは、決まったメンバーの集まりにならない、自宅開放を
通じて仕事と私生活をつなげていく
ということだそうだ。
・わたしの妄想がはたらいた。自宅を開放して、古本屋が
できないだろうか。土日曜日だけ、自分の家を古本屋にする。
・置いてある本はすべて売り物。スリップに値段が書いてある。
カウンターでは、コーヒーをだす。コーヒー豆はもちろん
萬福亭。畳に根転がって、本も読める。ちゃぶ台をはさんで
朗読会。段ボール箱にそれぞれ100円均一、200円均一など
とかいて「ひとり一箱古本市」!
・うーん、なにかが生まれそうな気がする。