大竹聡『酔っぱらいに贈る言葉』(ちくま文庫)

 

・わたしなりに酔っぱらいの書いた面白い本って、

 なにがあったかなあと考えていたところ、ばったりと

 この本で出合ってしまった。

・考えてみたら大竹さんの本はその代表格。その方が

 書いた酔っぱらいの言葉集だもんね。

         *

・ちなみにわたしがセレクトしていたのは、

山口瞳『酒呑みの自己弁護』

なぎら健壱『酒にまじわれば』

滝田ゆう泥鰌庵閑話』

・大竹さんだったら『中央線ホッピーマラソン』かな。

         *

大竹聡『酔っぱらいに贈る言葉』(ちくま文庫)読了!

・紹介されているのは49人。有名人だけでなく、出会った

 酔っぱらいの一般人まで入っているのが大竹さんらしい。

山口瞳なぎら健壱は、わたしと一緒のセレクトでうれしい。

 滝田ゆうは漫画だから外れたのかな。赤塚不二夫が入って

 いないのはさみしい。

          *

・このなかでなぎら健壱高田渡はステージをみているし、

 平松洋子さんは酒場でおみかけした。著者の大竹さんは、

 古書ほうろうでのトークショーでもつ煮をいっしょに味わった。

中原蒼二さんは、不忍ブックストリート一箱古本市に店主と

 して参加してくれた。わたしは助っ人として中原さんとけっこう

 長くいっしょにいてはなしをたくさんしているのだが、なにを

 はなしたのか覚えていないのはいまとなっては残念。水族館劇場

 のことはまだよく知らなかったし、鎌倉の立ち飲み「ヒグラシ文庫」

 を始める前。箱のなかに並べられていた本は、人文系の厚い

 本ばかりで難しそうであった。

・問題は野坂昭如荻窪のいつも行く定食屋でカウンターのはじに

 座ったら、反対側のはじでさしみをさかなにして徳利を傾けているひと

 がいた。横顔をみて、あれっ、と思った。野坂昭如は杉並区に住んで

 いるのでいてもおかしくはないが、本人だったのかどうか。

・まあ、そんなことがあったとさ。