吉上恭太さんの2nd CD 「ある日の続き」

・この間ちょっと怖い思いをした。マンションの廊下は
 長い。6階の廊下を掃除していた時のこと。前方におばあさん
 がこちらに向かって歩いてきた。わたしがふと下を向いて
 顔を上げるとおばあさんはいなかった。そこから10mぐらい
 歩いただろうか、振り向いたら後方にそのおばあさんが
 こちらを向いていた。またわたしは下を向いてしまい、
 すぐに顔をあげたのだがおばあさんはいなかった。
・あとで理由はわかった。似ている2人のおばあさんが
 いたのであった。それぞれの自分の部屋に入ったので
 見失ったのであった。あー、怖かった(笑)
          
・不忍の助っ人でもある吉上恭太さんの2nd CD
 「ある日の続き」が出来ました。
 渋谷のパイドパイパーハウス、千駄木の古書ほうろう、
 日暮里の古書信天翁で先行発売されています。
・9月20日からは全国発売になります。

・いやあ、もう最初の曲「ぼくが生きるに必要なもの」の
 イントロでこころを捕まえられてしまいました。
・なんと澄みきったアコギなんだ。題名は、
 人生哲学的だけど、そこは作詞の鶯じろ吉さん。
 陳腐なことばは使いません。普段の生活から
 拾ってきたものばかりが並べられている。
・4曲目「ホーボーだって深海魚の夢をみる」
 最近です、ホーボーってなにかを知ったのは。
 そうそう永島慎二の旅人くんのスタイルを
 した放浪者なのだ。じろ吉さんのものしりには
 あたまが下がるよな。
・6曲目「one day 〜或ル日ノ続キ」は恭太さんの
 原点とも言えるボサノバ。これは心地よい。
・7曲目「ほしどろぼう」。1stアルバムの
 「On Shinobazu Book Street」にもはいっているが、
 こちらはファンタジー度が高くなっている。
 恭太さんの声が若くなっている気がする。
 ちなみにこの曲はやまがら文庫のイメージソング
 です。
・9曲目「ごはんの湯気で泣くかもしれない」。
 このアルバムのなかの代表曲ですね。
・10曲目「涙」は菅原克己の詩に恭太さんが
 曲をつけている。うん、この詩はやさしくて
 恭太さんらしいわ。
          
・還暦を迎えた恭太さんがCDを作るというのは
 すごいよね。長年のプロだってなかなかできない
 ことではないか。
・で、なにが素晴らしいのかっていうとプログラムの
 谷口雄さんをはじめ若いミュージシャンといっしょに
 作ったということだね。恭太さんの持っている
 コミュニケーション能力。60歳になって、30も
 年の離れた人たちの共同作業。
・恭太さんって、聞き上手なんです。自分のことは
 自分から話さない。聞くと答えてくれるんだけど。
 それで相手が話していることは「そうだよね」って
 聞いてくれる。で、否定はしないんだけど、「でもね」
 って自分の意見をやさしく語りだすんだ。そこが
 素晴らしい。そういうところがこのCDを聴いていると
 わかるよね。
・あと、年を経てくると恋だの愛だのという曲が陳腐に
 思ってくる。このCDのなかに恋愛の歌詞がひとつも
 ないのが聴いていてすうっとはいってくるのだな。
・裏で恋愛を思わせる言葉はあるんだけどね。そこが
 じろ吉さんの詞です。「ごはんの湯気で泣くかもしれない」
 なんて、ちょっと恋愛が後退したような歌詞だけど、
 明るいんです。明るくなれるんです。
・イラストは随分前から漫画家の山川直人さんと決めて
 いたそうで、街のなかから空を見上げるイラストが
 このCDにぴったりんこ。
・このCDの視聴ができます。是非、聴いてみてください。

吉上恭太2ndアルバム「ある日の続き」試聴ページ
https://soundcloud.com/kyotayoshigami2017