沢村貞子 『貝のうた』

・あれは沢村貞子のなんの本だったか。

  女は「女らしくしなさい」と言われたら、おとなしく

  していればよいが、男は「男らしくしなさい」と言われれば、

  なにか行動しなくてはいけない。

・この文章を読んだときなるほどなあ、と。

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沢村貞子 『貝のうた』(新潮文庫)は、3月の暢ちゃんの会の時の

 暢気文庫で購入。田無に住んでいたころ、近くの中央図書館新町分室で

 沢村貞子の本を借りて何冊か借りて読んでいたが「貝のうた」は読んでいなかった。

沢村貞子のこと、知らなかったなあ。これは下町っ子、明治女の自伝という 

 だけでなく、近代史。歌舞伎や新劇のこと、関東大震災の自警団のこと、

 特高のこと、留置場のこと、戦前映画のこと、慰問芝居のこと。

・いやあ、文章がうまいから作者が経験したことがリアルに伝わってくる。

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・こんな本を読まずにいたとは。

貝のうた (河出文庫)

貝のうた (河出文庫)

 

 ・沢村貞子の弟である加東大介南の島に雪が降る』もおススメです。

南の島に雪が降る (知恵の森文庫)

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