古本屋ある町1 「フベンな本屋 むすぶん堂」(妻沼)

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・フベンな本屋 むすぶん堂(妻沼)

熊谷市内であるが、わたしが住んでいるところからは

 遠いので妻沼には行ったことがなかった。妻沼聖天山

 の門前町であり、本殿は熊谷唯一の国宝なので観光客は

 多い。その門前で古本の看板を見つけた。久しぶりに

 未知の古本屋さんとの遭遇。開店して1年ほどとのこと。

 結構、いろいろなジャンルの本があり楽しめた。

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小林泰彦『ほんもの探し旅』を見つけて購入。

 それにしても熊谷市内に古本屋があったとは。

 古ツアさんはご存じなのか(^^)

・店主さんにおはなし聞いたら、最近妻沼には新しい

 いろいろなお店が開店しているとのこと。

・コロナの影響もあるかと思うが、若いひとが移住して

 きているようだ。埼玉だと小川町がテレビで紹介されて

 注目されているが妻沼もその流れが確実にきている。

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・金子古道具店。もうこのたたずまいは最高です。

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・つくろい洋裁店。こういうお店も必要ですよね。

 わたしなんて裁縫がまったくだめだから、

 余計に近くにあるとうれしくなってしまう。

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・クラブ堂。プラモデル屋さんだ。このお店は

 むかしからあるようだ。

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・Y’s cafe。ここは確かむかしEテレで、

 古民家カフェとして紹介されていましたね。

          *

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・旧東武鉄道熊谷線(1983年廃止)

・実は、はじめての廃線跡歩きしてきました。

 JR熊谷駅からはバスをすこし乗ってそこから

 妻沼まで歩きました。最初は遊歩道になって

 いましたが途中から真っ直ぐな車道をひたすら

 歩きました。線路跡らしき道が数十mだけ

 残っていました。

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・キハ2002号です。終点の旧妻沼駅近くに

 保存されていました。

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・妻沼といえば「めぬまねぎ」。

 帰りに道の駅に寄りました。「めぬまねぎ」の

 束がたくさん売ってました。7本入っていて

 250円くらい。安い。

・以前、「めぬまねぎ」をいただいたことがあって

 小口に切ってフライパンで塩少々かけて焼いて

 食べたらめちゃくちゃ美味しかった。深谷ねぎが

 有名ですが、「めぬまねぎ」も負けていません。

          *

・寒い日ではありましたが、早歩きでしたので寒さは

 あまり感じませんでした。帰りのバスを待っている時は

 寒かった。結局、13.8㎞も歩いてしまいました。

・妻沼はこれからも面白くなりそうです。

山口恵以子『あなたとオムライス 食堂のおばちゃん 8』(ハルキ文庫)

 

 

・食堂のおばちゃん 8読了!最初は何がきっかけだったのか。

 新聞のインタビュー記事だったかな。社員食堂ではたらき

 ながら小説を書いているということに興味を覚えたんだ。

・それに著者がわたしよりひとつ年上というのが気になった。

 同時代を歩いたきたというだけで価値観が共有できるような

 気がしていて、それは山田詠美みうらじゅんにも

 あてはまる。

         *

・内容のことは書かないけれど、もう食堂のおばちゃんなしでは

 生きていけない。新刊がでたようなのでまだまだストックが

 あるからお楽しみは続くのである。

映画『クライ・マッチョ』クリント・イーストウッド

wwws.warnerbros.co.jp・映画『クライ・マッチョ』を観てきました。

・それにしてもシスコンって好きじゃないなあ。なぜだろう。

 売店がわかりづらいせいか、パンフレットは買う気が起きない

 し。どうも入口と劇場が離れすぎているのがいけないんだと

 思うよ。

         *

・高校生のころ、渋谷全線座で観た「ダーティハリー」。

 プー太郎のときに旧池袋文芸坐の狭い椅子で観た「センチメンタル・

 アドベンチャー」が思いだされる。実は昨年いちばん観たテレビ映画 

 はクリント・イーストウッドなんだよな。なぜかBSPやBSテレ東

 いろいろやっていた。そのなかで観た「運び屋」は最高傑作でした。

・一言でいえば『クライ・マッチョ』はとしよりくさくない映画。

 優しさにあふれているんだけどそれだけじゃないのですよ。

 制作・監督・主演を91歳がやるという、このひとにしかできない

 映画でした。いまだにクリント・イーストウッドのロードショーが

 観られるなんてなんと幸せなことでしょうか。

山際淳司『みんな山が大好きだった』(中公文庫)

 

・再読である。古い日記をみると1997年1月12日に読み終わって

 いる。この文庫は1995年7月に発行になっているのに、なんで

 1年半も経ってから読んだのであろう。この手の本は文庫が

 でればすぐに読んでいたであろうに。

・この日記を読むと山際の文章をべた褒めしている。まあ、当時の

 自分にすごくあっていたのだということはわかる。考えている

 ことを代弁してもらったような。

・今回再読をして思ったのは、ひとつ前の時代だなと。山に挑戦

 するということがなくなってしまった。新聞に取り上げられるのは

 国内での遭難記事ばかり。初登頂なんてニュースは全く聞かれなく

 なった。それと山に登るのは男の孤独だ、というような。そういうこと

 を女は理解してくれないとか、家庭をかえりみずヒマラヤに

 でかけるとか。それが男に生きる道である、というようなことは

 薄くなってしまった。そういうことが嫌いなわけでもないのだが。

・読んでてなるほどと思う文章を書きだします。

現実維持を旨とし、動き出そうとしない人間は常に現実に拘束

されている。そこからもう一つの世界に向けて旅立とうとする

とき、初めて自由が手に入る。

・いまの自分にぴったりじゃないか。なんかひとつでも壁や殻を

 破って進みたいものである。

映画『偶然と想像』濱口竜介監督

guzen-sozo.incline.life・年末ですが、濱口竜介監督『偶然と想像』を観てきました。 

・カウンターで「一般でよろしいですか?」と言われて、

 アワアワとして「シニアでお願いします」とのやりとり。

 いまだにシニアに慣れない。のと、もう一般ではないのだと

 いうさみしさ。まぁ700円割引きになるのだから実を取る。

・オムニバスだとちょっとなぁというエピソードがあるものだが

 この映画はどれもクオリティが高いのはさすが。

 対話の場面の独特なカメラワークも健在。それにしても女性の

 複雑な心情を描くのが非常にうまい。

          *

・もう一つの濱口作品『ドライブ・マイ・カー』が全米批評家協会賞

 作品賞などをとったり、そしてきょうゴールデン・グローブ賞

 非英語映画賞をとったりして、米アカデミー賞もとれるんじゃない

 かなあ。深谷シネマで2月に『ドライブ・マイ・カー』が上映される

 から観にいかなくちゃ。

木下順二『本郷』(講談社文芸文庫)

 

 

・読みたい本って、この作者からあの作者へリレーのようにバトンタッチ

 されていく。むかしつげ義春が漫画のあとがきかなにかで、好きな

 作家として井伏鱒二をあげていた。それから井伏の本を読むように

 なった。

・それでいくと高田渡山之口獏茨木のり子ときて木下順二

 たどり着いた。どこかで茨木のり子木下順二の対談を読んだこと

 があるなあ。

           *

・むかし木下順二『本郷』は単行本を持っていた。それもサイン入り。

 でも読まずに一箱で売ってしまった。今回は須方書店で文庫本を

 見つけて購入し、読むことにした。

           *

・むかしの本郷界隈のこと。本郷といっても向丘に長く住んでいた。

 向丘といえば、喫茶おとらのあったところなので千駄木方面から

 よく歩いた。木下順二もこのあたりを散歩していたそうで読みながら

 風景が頭のなかに出てくることがあった。

           *

・あとがきでハッとしたことが書いてあった。夏目漱石の「三四郎」に

 出てくる広田先生が西片町10番地への三号に引っ越した、と書いて

 あるそうだ。木下順二はここが夏目漱石が住んでいた番地だと思って

 いたが実際にはろの七号だったそうだ。

それなら漱石は、への三号という、それを口にする与次郎のお人柄に

何となく似つかわしいこの番地を、何から思いついたのだろう。

漱石が「への三」を使っていることに興味を持っている。

 似つかわしい番地=への三。この漱石研究は進んでいるのだろうか。

 とりあえず「三四郎」を読んでみたい。

 

スズキナオ『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』(スタンドブックス)

 

 

・ことし最初の1冊。昨年末から読んでいたんですけどね。

 やはりむかしの椎名誠みたいだなあ。日々のことから

 ちょっとずれたことを実践してみる。そういう思いつきが

 いいよね。いつもの通勤とは反対のほうの電車に乗るとかね。

 なかなかやりそうでやらないこと、できそうでできないこと。

 それで日常が非日常になって新鮮な驚きに出会ったり、マイナス

 がプラスになったり。

・山で水を汲んできて焼酎を割って飲むとか、わたしもむかしは

 よくやっていたけど。それをこう文章にするというのはなかなか

 ね。実験を積み重ねて発表するなんて夏休みの自由研究みたいだし。

・小さいことというか、銭湯の鏡広告がどう作られているかなんて、

 知らないよね。そういうところがスズキナオのいいところ。