COM 1967年9月号

・探していた月刊コミック・マガジン「COM 1967年9月号」を
 秋葉原まんだらけで見つけて購入。
・目当ては、草森紳一の連載 「まんが家論 永島慎二の巻」。
 まあそれはそれとして。「COM」を手にするのははじめて。
・表紙のキャッチがね。

まんがエリートのためのまんが専門誌

・まだエリートということばが素敵な時代だったんだね。
 連載は手塚治虫火の鳥」、永島慎二「フーテン」、
 石森章太郎「ジュン」。特集は「登場人物 キャラクターは
 生きている」。
・キャラクターは実在の人物だったと紹介している。たとえば、
ゲゲゲの鬼太郎」は水木しげるの甥っ子である武良慎一。
 たしかに慎一少年の写真が載っているが鬼太郎と同じ髪型
 である。
・「オバケのQ太郎」の原型がペンギンだったとは知らなかった。
 このほかにも「主人公の性格分類」「キャラクターの変化と
 発展」「キャラクターづくりのヒントと方法論」「版権と
 使用範囲」がつづられている。筆者は峠あかね。峠あかねは
 真崎守のこと。次号は「児童漫画家アプローチ アシスタント」
 とある。漫画家を目指しているエリートのための特集なんだね。
手塚治虫のコラム まいまいかぶり3は「まんが家一言診断」。
 これがすごい。まんが家をけちょんけちょんにけなしている
 のである。

ちばてつや「かなりマンネリズムなのでひとつ稿を新たにした
 ほうがよくないか? 花は枯れかかる前に折ったほうがいさぎ
 よくていいのだ」
石森章太郎「ナマすぎるので、どうもイミテーションに見える
 ことが多いのだ。」
白土三平「ワタリは荒れている」
永島慎二高倉健のような顔がでてくるヤクザものを描くん
 ですか? 自重を望む。」

・まんがの神様にこれだけ言われても誰も反論できないのに

もし、反論があれば、どうかご遠慮なく挑戦していただきたい

 といっている。ユリイカの別冊「大友克洋」で、手塚治虫
 年若い大友克洋をライバル視してこきおろしているのを
 思い出した。
・月例で新人漫画家を募集していて、第4回の入選作として
 青柳祐介「いきぬき」が載っている。佳作2はなんと当時
 16歳のあだち充「虫と少年」。
・裏表紙は、フジテレビの広告。「リボンの騎士」と
 「悟空の大冒険」。アニメとは未だ言っていない。
 長編カラーテレビまんが。全国PTA協議会推薦というのが
 いかにも時代がかっている。
・このフジテレビのキャッチもすごい。

母と子のフジテレビ