森まゆみ『聖子ー新宿の文壇BAR「風紋」の女主人』(亜紀書房)

 

森まゆみ『聖子ー新宿の文壇BAR「風紋」の女主人』

 (亜紀書房)読了!

・画家であった父のことからはじまっていて、森さんは

 父の足跡をフランスまで渡る。なんというフットワーク

 の軽さ。取材もあたかも谷根千を廻っているように

 しらみつぶしの感あり。

・出てくるひとの著名人の数がすごい。キーになる人は

 これまた取材していて、そのほかの人も著書にエピソードを

 書き加えて人物を浮かび上がらせている。

・佐野英二郎の名前が出てきて、誰だっけと思ったら、

 「バスラ―の白い空から」を書いた人だ。

          *

・読んでいて思ったのは、新宿に文化があったんだな。

 そんないい時代があったんだな、と。これが銀座の

 文壇BARだったら全く違っていたんじゃないだろうか。

 うまくいえないけどね。

・70年代の後半ぐらいからなら新宿の文化にすこし触れて

 いたけど。なんというかな、自由な大人の感じ。他の

 繁華街、たとえば渋谷とは全然違う感じがあった。

 飲んだりしても落ち着けるというか。

          *

・BARに行きたくなったなあ。聖子さんのような女主人の

 いるところへ。