つげ義春『つげ義春 名作原画とフランス紀行』

 

つげ義春つげ義春 名作原画とフランス紀行』

 (新潮社 とんぼの本)読了!

・読了というか、ほとんどが漫画の原画なのだが。

          *

・つげが漫画を描かなくなって30年か。その間、

 批評本というか、関連本が数多く発売されてきて、

 すべてではないがわたしもよく読んできた。

 それだけつげ義春の漫画ってなんだろうという

 疑問が湧いてくるものなんだろう。

・文学だというひともいるんだけど、なんか違うように

 思う。やはり唯一無二の魅力を持った漫画なのだ。

         *

・こんかい原画で漫画を読んで改めて傑作ばかり、というか

 こころに残るものばかり。「やなぎ屋主人」はちょっとだ

 けど。

・絵がいい。「ほんやら洞のべんさん」の雪の舞うなかで

 鳥追いする娘のかわいらしさ。「もっきり屋の少女」の

 もっきり屋の全景のたたずまい。「李さん一家」のラスト

 ページ。「海辺の叙景」のするめいかを干しているカット。

・それとユーモア。とくに「ほんやら洞のべんさん」での

 ジッさんとマリちゃんのやりとり。こんなシーンは何回

 読んでもうふっとなる。

         

・そんないろいろな要素がつなぎあわさってつげ漫画が

 出来上がっているんだなあ。

浅川満寛のフランス同行日記がおもしろかった。